大内裕和教授の悪質な著作盗用を「故意によらない誤り」にすり替えた「武蔵大調査委」のゴマカシ術

 学問の劣化が嘆かれて久しいが、そのメカニズムの一端を浮き彫りにしているのが大内裕和武蔵大教授(前中京大教授)の研究不正問題だ。大内

氏の著作が筆者(三宅)の著作からのパクリであることは、常識的に一目瞭然である。ところが、詭弁に詭弁を重ねて言い逃れを続けてきた。武蔵大は昨年12月から調査を行ったきたが、きょう7月12日午後5時すぎ、結果について次のとおり告発人の筆者に連絡してきた。

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武蔵大学長 高橋 徳行(研究不正に関する総括責任者)

研究活動に係る不正行為に関する本調査の結果について(通知)

 2022 年 10 月 21 日付け、「研究活動に係る不正行為に関する本調査の実施について(通知)」
にてお知らせいたしました本調査が終了しましたので、結果を通知いたします。
 調査の結果、「武蔵大学における研究活動上の不正行為防止等に関する規程」に定義される「盗
用」、「改ざん」、「捏造」及び「その他 特定不正行為以外の研究活動上の不適切な行為であって、科学
者の行動規範及び社会通念に照らして研究者倫理からの逸脱の程度が甚だしいもの」には当たらないと
の結論に至りました。
 調査の過程において、本学教員の著作物には故意によらない誤りがあることが判明し、また、本件に関
して調査を行っているとの情報がインターネット上で流れていたことから、本学規程第 33 条に基づき、調査
結果を公表することといたします。
 本学教員に研究不正の疑いが生じたことは、大変遺憾であり、調査にあたり、多くの関係者の皆様にご
迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。今後はいっそう研究倫理教育を徹底し、研究不正はもとよ
り、疑念を持たれることのないよう、全学をあげて取り組んでまいります。

 本調査の実施にあたっては、資料提供やヒアリングにご協力くださり、ありがとうございました。

 盗用、改ざん、捏造の特定不正行為にあたらない。ただし、故意によらない誤りがあることが判明した。――

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 いったいどんな理屈でそんな結論になるのか、にわかに理解しがたい。下記の記事で紹介した大内氏の記事と筆者の記事を比べてみてほしい。常識ではありえない結論だ。

 中京大に続き、武蔵大もまた、大学ぐるみで不正を隠蔽したと考えざるをえない。

 失敗を指摘されたとき、直視する道とごまかす道がある。前者には将来性があるが後者には腐敗と衰退が待っている。これは歴史の教訓ではなかろうか。武蔵大と大内教授は不正をごまかす道を選んだ。残念ながら腐敗と衰退は必至だ。いっそうの学問のレベル低下がもたらされることであろう。

 筆者としては、上の結果にいたる調査委の論理を確認すべく、情報公開等の手続きについて大学に問い合わせることにしたい。

 大内教授盗用問題で筆者をご支援いただいている読者各位にお礼申し上げるとともに、引き続きのご支援をお願いする次第である。

3件のコメント

  1.  「故意によらない誤り」ってどういう誤りでしょうか.三宅さんが追求した岩手大・菊地准教授の共同通信配信記事の盗用は,「不適切な引用」にされました.フツーの常識なら,引用の明示が不適切だったと受け止めますけれど,この「不適切な引用」とは,引用元の明示がなかったことです.これを世間では盗用と呼ぶのです.
     武蔵大の調査結果で,「故意によらない」とする根拠,「誤り」とはどういう判断を指すのか,疑問は尽きません.岩手大学同様,詭弁を駆使するのでしょう.三宅さんの今後の追求に期待します.

    1. コメントありがとうございます。盗用元の私の記事について大内氏は「存在走っていたが読んでいない」と釈明してきたので、いまさら「不適切な引用」という釈明ができなかったのだと思います。武蔵大学は報告書の開示を拒んでいます。今後は情報開示が焦点になると思います。

  2. 「故意によらない誤り」武蔵大学は過失と言いたいのでしょうか。過失で三宅さんの文書を盗用した?理解に苦しみます。武蔵大学は、どうしよう、どうしようと集まって考えた結果が、故意によらない誤りとの表現を用いたわけですね。
    見苦しい言い訳です。

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