選挙運動報告書の一部黒塗りは不適当――都情報公開審査会が答申

 情報公開条例に基づいて選挙運動費用収支報告書を都選管あてに開示請求したところ、「犯罪に利用されるおそれがある」などとして出納責任者の印影を黒塗りにした問題で、都情報公開審査会(樋渡利秋・会長)は7月27日、「偽造等の犯罪の予防その他公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由があるとまでは認められない」などとして、開示すべきであるとする答申を審査機関である都選管に提出した。

東京都情報公開審査会答申(2023年7月27日、答申1052号)

 選挙運動費用収支報告書の黒塗り問題については、総務省および大半の自治体選管がすべて開示している一方で、高知県と東京都が印影を黒塗りにする判断を行っており、取り消しを求める審査請求をそれぞれの選管に行っていた。このうち高知県については、諮問機関である高知県公文書開示審査会が今年2月、「全部開示すべきである」との答申を行い、すでに黒塗りは撤回ずみとなっている。

高知県公文書開示審査会(2023年2月7日、答申197号)

 今回、東京都情報公開審査会が印影不開示を否定したことで、印影黒塗りは完全に一掃されたとみられる。

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