刊行されている判例集を黒塗りにする杉並区の情報「非」公開に異議あり

 杉並区の情報公開のあり方に疑問を感じる場面に遭遇したのでご報告したい。開示を求めた文書のなかに判例集のコピーが含まれていたのだが、そこに記載された裁判の事件番号や雑誌名が黒塗りにされたのだ。

「個人情報」だというのが非開示理由である。刊行物なのだから、ただし書きの「公開が予定された情報」ではないか。非開示は誤った判断ではないか、と口頭で異議を申し立てたが、是正は不要だとの回答があった。

 とうてい納得しがたいので、本日(12月14日)行政不服審査法に基づき審査請求を行った。杉並区の情報公開に関する審査請求では、何年間も手続きを進めず放置するという問題が前区長時代にあった。さすがに、いまはそのようなことはないと信じたい。

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(一部略)

杉並区長さま

審査請求書

 行政不服審査法第2条の規定に基づき審査請求します。

(4) 審査請求の趣旨及び理由

 本件処分は、請求人の情報公開請求に対し、実施機関である杉並区長が24件の公文書を対象文書として特定し、公開または一部公開決定を行ったものである(別紙)。この24件の文書のうち、22〜24は裁判所が刊行する判例集または市販されている判例雑誌の一部を複写したものであるところ、これらの文書について実施機関は、杉並区情報公開条例(以下「条例」という)6条1項第2号本文該当情報にあたるとして事件番号や刊行物名が記載された部分を非公開とする処分を行った(以下「本件非公開処分」という)。しかしながら、本件非公開処分にかかる情報のうち、事件番号など判決に関する記述が、条例6条1号2号ただし書きア「慣行により公開され、又は公開することが予定されている情報」に該当し、また雑誌名も個人情報にあたらないことは明白である。本件非公開処分は違法であるから取り消しを求める。

 

 

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