訴訟開廷表が福岡高裁1階ロビーにないワケ

 先日、福岡地裁・高裁の本庁舎を取材で訪れてあることに気がついた。1階ロビーに高裁事件の開廷表が置かれていないのだ。開廷表というのは、その日開かれる裁判手続き(口頭弁論や刑事公判)の事件番号や当事者名、開廷時間、法廷、係属部、担当裁判官名が記載された一覧表である。私のよく利用する東京地裁・高裁・簡裁では、紙ファイルのほかにデータで検索できる端末が設置されている。

 福岡地裁・高裁本庁舎でも、地裁分については刑事・民事の2種類のファイルが1階ロビーに置かれている。ところが、どういうわけか高裁事件だけはファイルがない。受付の職員に事情を聞くと、理由はわからないが昔(旧庁舎時代)からそうしているという。「担当を呼びましょうか」と受付職員がいい、しばらくして高裁広報統計課の課長補佐がやってきて対応したが、「開廷表はおいていません」と木で鼻をくくった回答を繰り返すだけだった。

 ほかの高裁所在地でもこういう意味不明の”伝統”を守っているのかどうか、機会をみて調べてみたいが、変わること、進歩すること、考えることを拒絶した昨今の日本社会の有り様が、こうしたところにも露出しているのだと思う。

 なお、福岡高裁の開廷表問題については、課長補佐に対して「なぜ開廷表を1階ロビーい置かないのか、理由の説明をしてほしい」と質問し、現在回答を待っているところである。

 

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