神奈川県警退職者の再就職先が記載された「求人票」の法人名黒塗りの違法性を問うた国賠訴訟の控訴審(東京高裁で審理中)で、裁判所の勧告を受け入れる形で県が検討中の解決金3万円の支払いについて、神奈川県議会防災警察常任委員会は10月6日、解決金支払いに関する議案を可決した。事実上和解が成立した。13日の本会議で採択された後、27日の和解期日で正式に和解文書を作成する見通し。
県警の誤った情報公開非公開処分に対し、是正のための訴訟に要した実費分の賠償を命じたに等しい和解内容で、県情報公開条例が万人に保証する知る権利を守る上で意味のある決着である。筆者はそう考えて先日県政記者クラブ(幹事社共同通信社)に情報提供したが、現在のところ問い合わせはない。行政機関と癒着し、独占的に情報を得ることで優越的な営業活動をし、ときにネタの取り引きをしてきた新聞テレビ通信社の記者クラブメディアの凋落ぶりは目を覆わんばかりだが、読者視聴者の支持を失っているとすれば、その原因のひとつはこうした「権利に鈍感」な姿勢にもあるのではないだろうか。
委員会資料はこちら
https://www.pref.kanagawa.jp/gikai/boukei_r5_3kai.html
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/103632/01_0927_iinkaisiryo_keisatu.pdf
事件の内容はこちらをご参照ください。