盗用捏造に加え所属学部詐称の疑いもある大内裕和・武蔵大教授(教職課程、LASEC所属)が、人文学部所属にしないのはケシカランとばかりに勤務先の同大学を訴えた訴訟で、人文学部としては「任用(移籍)手続きをするのは困難」と考えていることが明らかになった。大内氏の代理人弁護士(嶋崎量氏)の弁護士照会に対して同学部長(黒田享教授)が今年1月に回答、今月裁判所に証拠として提出された。
もともと中京大にいた大内教授は、教職過程教員の公募に応じる形で2022年4月に武蔵大に採用された。その際、盗用や捏造、二重投稿が疑われる著作6点を業績として提出。だが、人文学部の選考委員会によって高く評価されて採用となった。
疑いのあるこれらの著作は、採用選考がなされた時点ですでに中京大の予備調査を受け(本調査不要と結論)、また後日武蔵大の本調査を受けることにもなるのだが(不正ではないとの結論)、人文学部の選考関係者が不正の疑いについて認識していたかどうかはわからない。
採用後、大内氏は同時期に新設された教職過程教員専用の部署であるリベラルアーツアンドサイエンス教育センター(LASEC)の所属となったが、この所属に納得がいかなかったらしい。人文学部に所属する約束で採用されたのであり労働契約違反だ、などとして労働審判を申し立て、さらに訴訟を提起。大学側と全面的に争う。その結果、「1教職過程教員であることを確認する」、「2 人文学部への任用手続きをすることを学長が許可する」などの内容の和解が成立する。
なお、この訴訟の過程で、大内教授が、人文学部所属ではないのに「人文学部教授」を対外的に名乗っており、詐称にあたるとして大学が難色を示している。今回の裁判で大学側から証拠提出された当時の大学と大学側弁護士との打ち合わせ記録をみると、和解交渉に臨むにあたって大学は「詐称問題」を不問に付することを一案として考えていたことがわかる。
大学は、和解成立後、すぐに任用(移籍)手続きにはいり人文部学部人事委員会が選考にあたる。同人事委は、定員や担当科目、コマ数などに解決すべき障害があると考え、それらを調整したうえで任用する案を大学側に提案した。しかし大学側は、定員増はせず、人文学部の科目を担当することなどを条件とする趣旨での和解であり、大内氏もその点を承諾していたとして、移籍を認めないと結論づけた。
これを不服として、大内教授は昨年6月、人文学部移籍を認めないのは和解条項違反だとしてふたたび提訴。「蒸し返し」だとする大学側と真っ向から対立し、現在にいたっている。今年1月の期日で、裁判所は原告大内氏側に対して、人文学部の意向を確認するよう求めていた。
大内氏の要求は「人文学部教授」の肩書だけで、担当授業や給料額にはいっさい不満はないという。なぜそんなに肩書にこだわるのか判然としないが、もしかしたら「人文学部長」のポストを狙っているのか、とそんな邪推をしたくなる。
〈武蔵大学・大内裕和教授に肩書詐称疑惑–「人文学部」は嘘だった?〉