国立大学法人岩手大学大農学部の大学院生を筆頭著者とする学位論文に研究不正(捏造)があった旨、同大は12月26日に発表した。発表文によれば、問題の論文に記述されている実験の内容が実際のものとは異なっているとの告発がなされたことを端緒に調査を行った結果、実験ノート等の実験記録を確認することができず、不正の疑いを晴らすことができなかったために捏造(文科省ガイドラインが定義する特定不正行為)と認定した。
共著者の研究員と指導教官の袁春紅・農学部教授も不正に関与したとの認定がなされた。袁教授は停職1か月の懲戒処分を受けた。
研究不正の疑義が生じた場合、説明責任は研究者の側にあり、疑義を晴らすことができない場合は不正と認定し得るというのが研究不正の仕組みであり、岩手大学の今回の調査結果はその仕組みにそった判断だ。
武蔵大学の大内裕和教授に関する不正調査は、調査記録の類が何ひとつない(大内氏が示した根拠資料は、すべて後日インターネット上から入手可能なもの)にもかかわらず、不正と認定しないというものだったが、その異常さがあらためて浮き彫りにされたといえる。
