「中京大・武蔵大の研究不正デタラメ調査を問う訴訟」の控訴審は敗訴

 大内裕和・武蔵大学教職課程教授の盗用事件で、文科省ガイドラインや学内規程を常識的に適用すれば不正(盗用及び捏造)と認定されて当然であるにもかかわらず、不正ではないとする調査結果を強引に導いた中京大や武蔵大に対し、告発人であり盗用被害者として精神的苦痛を受けたとして損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が、12月23日、東京高裁であり、一審につづき原告(控訴人)敗訴がいいわたされた。(令和7年ネ2504号。14民事部・佐藤哲治裁判長)

 判決は、研究不正の調査制度は「専ら各大学における学術研究の信頼性と公正性を確保する目的のために実施されるもの」であり、原則的に「研究不正行為により権利侵害を受けた者の権利利益を保護することを目的とするものではない」としながらも「不当な目的をもって著しく不相当な方法によりされた」ような場合には例外的に不法行為が成立する余地があるという一審判決の判断枠組みを踏襲した。そのうえで、大内教授の調査については、調査委は弁明書の提出やヒアリングといった手続きをふんで調査報告書を作成し、不正行為には該当しないとしながらも、説明責任やデータの出典、参考文献の扱いについて不十分な点があり厳重注意が必要な行為が見受けられたとしており、その内容が告発人にとって満足できないものであっても著しく不相当であるとはいえないと判断している。

 また、研究不正行為により権利侵害を受けたものは、別個に、不正を行った者に対して不法行為等による損害賠償を求めるなどすれば足りる、とも述べている。

 結果は、一審二審とも敗訴となったものの、訴訟を通じて小さからぬものを得ることができた。大内氏の支離滅裂な説明ぶりが法廷で明らかになり、盗用・捏造がよりいっそうはっきりとした。そして、大学が、研究機関にあるまじき非科学的な論理のこじつけにより不正を隠蔽した事実も鮮明に見えた。詳細については控訴理由書をご覧いただきたい。

 ひとまず、ご支援いただいた読者各位にあつくお礼申し上げたい。引き続き、大内教授の不正隠蔽問題を追及してく所存である。さらなる応援をお願いいたします。

 

 

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