神奈川県警退職者の再就職先が記載された「求人票」の開示を求めた情報公開請求に対して法人名まで不開示にしたのは違法だとして、取り消しと国賠法にもとづく賠償を求めた訴訟の控訴審(東京高裁で審理中)で、県側が原告・筆者に対し、裁判所の勧告にしたがって和解金3万円を支払う内容の和解を検討していることが、現在開会中の神奈川県議会の内容などから判明した。
和解案は議案80号として上程され、防災警察常任委員会に付託されている。9月27日と29日に審議があり、10月6日に委員会裁決が予定されている。委員会と本会議で可決された場合、10月27日に東京高裁で予定されている和解期日で正式に和解が成立する見通しだ。
2021年10月に横浜地裁に提訴、途中で裁判所が黒塗りの撤回を勧告して法人名の全面開示に転じた。国賠訴訟部分だけを争ったが敗訴。非開示処分は訴訟中に撤回したから国賠法による賠償を必要とするまでの損害はなく、訴訟費用も原告(筆者)負担とするという内容に納得がいかず、控訴した。判決内容を変更するのは法的には難しいが、事実上の原告勝訴であり控訴した事情は理解できるとして結審後に和解勧告がなされた。
提訴からまる2年、筆者側の実質全面勝訴といってもよい内容で決着がつき、訴訟にかかった実費も回収できそうである。ご支援いただいた読者各位に深くお礼申し上げる。
委員会資料はこちら
https://www.pref.kanagawa.jp/gikai/boukei_r5_3kai.html
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/103632/01_0927_iinkaisiryo_keisatu.pdf
事件の内容はこちらをご参照ください。