大内裕和武蔵大教授による著作盗用疑惑をめぐり、大学の研究不正調査がずさんにしかなされなかったとして、中京大学と武蔵大学を相手どって起こした損害賠償請求訴訟の第3回口頭弁論が、19日、東京地裁であった。両大学の調査に対して大内氏から提出された弁明書やヒアリングの記録の一部が開示された。
大内氏は調査委に対して、私(三宅)の著作を参考にしたのではない、自分で調査して書いたのだ――という釈明を行い、調査委もそれを容認した。しかし、大内氏から提出された「根拠資料」はいずれも事後に入手可能なものばかりで、研究ノートの類をはじめ執筆当時に調査を行ったことを裏付ける資料は何ひとつないことが判明した。
原告の私は詳細な反論を述べた準備書面を提出した。次回第4回口頭弁論は9月30日午前11時、東京地裁614号法廷で開かれる。被告中京大学と武蔵大学から原告の反論に対する再反論などを行う予定。