神奈川県職員の懲戒処分の状況がわかる文書を情報公開請求によって入手し、現在、順次整理しながらご紹介している。本ブログの読者にはまことに申し訳ところはあるが、取材資金や後述する訴訟資金を確保する目的で、note という別の媒体で有料にて配信している。
訴訟資金というのは、部分開示された個別の懲戒処分の報告書(1993年以降、240件)のうち納得のいかない黒塗り部分があり、場合によっては訴訟で争うことも必要だと考えているからだ。弁護士に委任すれば最低でも数十万円、本人訴訟なら実費3〜5万円でできるが、時間と労力を費やす必要があり、経済的に苦しくなる。当然、法律家ではないので武器対等とはいかない。ご理解いただければ光栄である。
納得できない黒塗り部分とは各事案の報告書に添付された「別紙」だ。類似事案を列記しているとみられる。「セクシャル・ハラスメント事案」などといった表題だけ開示して、あとは完全に黒塗りである。県情報公開条例5条5号エの非開示情報――
(5) 県の機関、国等の機関、独立行政法人等又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公開することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
に該当するというのが県の説明だ。
県がホームページで公開している条例解説「かながわの情報公開ハンドブック」によれば、
「人事管理」は、職員等の採用、退職、異動等をいう。これらの事務に関する情報の中には公開すると、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるものが多いことから規定したものである。
ーーとのことである。
懲戒処分事案はすべてその概要が公開されている。類似事案をまとめた「別表」を開示することがなぜ「公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼす」のか、にわかに理解しがたい。
そこで処分を行った人事課に問い合わせると、「平成18(2006)年答申」というものを踏襲した結論だということがわかった。前例踏襲で深く意味を考えずに黒塗りをした可能性が高い。
処分の再検討を口頭で求めた。現在回答を待っているところだ。双方の負担軽減のためにできればやりたくないが、結果次第ではやむを得ず取り消し請求などの訴訟を起こさざるを得ないとの考えを伝えた。