杉並区選管が情報公開の非開示をめぐる不服審査手続きを3年8ヵ月間(提訴時点、現在は3年9ヵ月間)も放置しているのは、法が保障する簡易迅速な不服申立てをする権利の侵害にあたるとして、杉並区に対して10万円の賠償を求めた国家賠償請求訴訟(原告・筆者)の第1回口頭弁論が、4月27日、東京地裁415号法廷であった(民事26部(小田真治裁判官)。被告杉並区代理人は、請求棄却を求める答弁書を陳述、全面的に争う姿勢を示した。
被告の詳しい主張内容はまだでていないが、この日被告代理が口頭で説明したところによれば、
(1)開示決定通知で「全部開示」とした文書の一部を白く塗った※のは「偽造防止措置」であって、非開示処分ではない
(2)不服審査申し立てから3年8ヵ月以上も手続きを放置していることにはしかるべき理由がある
とのことであった。(1)については、全部開示しながら「偽造防止措置」を理由に一部非開示にすることは手続きとして存在しないので、理解困難である。(2)も、いったいどんな理由があれば3年8ヵ月間も放置していいという理屈になるのか、首をかしげざるを得ない。
被告の反論が楽しみである。
次回第2回口頭弁論は、6月24日11時から、東京地裁630号法廷で開かれる。
※「選挙運動費用収支報告書」の開示にあたって、区選管は、決定通知書に「全部開示」と記載しながら、じっさいには会計責任者の印影部分を白く塗って「非開示」にした。筆者は、違法な非開示処分であり取り消されるべきだとして2017年7月に不服審査を申し立てた。
杉並区選挙管理委員会が情報公開に関する不服申し立ての手続きを2017年7月以降現在まで3年9ヵ月間も放置していることの違法性を問う国家賠償請求訴訟で、被告区側から答弁書が提出された。請求棄却を求めるとして全面的に争う姿勢である。訴状に対する認否反論は追って行うとのことで、反論の具体的内容はまだ不明である。
第1回口頭弁論は4月27日14時30分、東京地裁415号法廷で開かれる。

杉並区選管の情報公開に関する不服審査請求が3年8ヶ月(現在も継続中)間も放置された問題をめぐる国家賠償請求訴訟で、第1回口頭弁論期日をあやまってお知らせしていました。ただしくは4月27日14時半、東京地裁415号法廷です。おわびして訂正いたします。
「日の丸ヤミ金奨学金」『週刊金曜日』で連載開始
雑誌『週刊金曜日』で「奨学金ローン」の問題をテーマにした連載をはじめました。今週号(4月2日号)に第1回目が掲載されています。ぜひごらんください。
http://www.kinyobi.co.jp/
【連載】“日の丸ヤミ金”奨学金
奨学金の名で若者から収奪する
「日本学生支援機構」
「繰り上げ一括請求」の欺瞞を暴く
三宅勝久
「奨学金」といえば本来、向学心に燃えつつ経済的に恵まれぬ若者を支援するものだったはず。しかし、それが今や学生たちを相手に搾取を働き未来を奪う悪徳金融業者と化していた。その実態を追ってきた筆者による入魂の連載第1弾!
大内裕和中京大学教授(奨学金問題対策全国会議共同代表)の著作(書籍・雑誌記事・講演多数)のなかに筆者(三宅)の著作(書籍および雑誌記事)と酷似した記述があり、著作権侵害や研究倫理上の盗用が疑われる問題は、昨年7月から筆者と大内氏の間でおこなわれていた和解協議が事実上決裂、訴訟に発展する可能性が高まった。
◆問題の記述についてはこちらをご参照ください
権利侵害を指摘する筆者側に対して和解協議を申し入れたのは大内氏のほうだった。訴訟はしたくないとの意向も伝えられた。そこで協議のテーブルに乗ったのだが、同氏から提示された和解案とは、筆者が将来にわたってこの件で大内氏の批判をしないとの口止め条項が入るなど、ジャーナリストを職業とする者には到底受け入れられない内容だった。また「類似した表現」があり、それは謝るものの著作権侵害は認めないという意味不明の内容でもあった。
そこで当方はこれを拒絶し、著作権侵害を真摯に認め、無条件に謝罪・賠償することを要求、受け入れないのであれば訴訟手続きに入る旨を伝えていた。この「最後通牒」に対する回答が、回答期限の3月30日付で、代理人の樽井直樹弁護士から届いた。
…三宅氏としては今後もこの問題を記事などで取り上げる可能性があり、特定のテーマについて将来書かないと約束することはできないというご意向とのことでした。このことは、三宅氏としては、本件について当事者間の協議によって解決をするご意思はないと受け止めざるを得ません。
大内(裕和中京大教授=筆者注)としては、本件について訴訟などの場での争いに発展することなく解決をすることを期待して、三宅氏からのご要望にも対応して参りました。大内としては、今後とも、本件を話し合いによって解決することを希望していることをお伝えするものです。

よく意味がわからない回答である。和解協議の主題は大内氏による権利侵害だったはずである。協議を申し入れたのも大内氏の側だ。それが、私が大内氏の批判をするかどうかという問題にすり替わってしまっている。
和解交渉は事実上決裂した。そう判断せざるを得ない。提訴の準備を早めたところだ。今月中には訴状を出したいと考えている。読者各位のご支援を仰ぐ次第である。
選挙の直前に自分の名前や顔写真が大きく掲載された印刷物を大量に作成・有権者を含む住民に配布し、その経費のすべて(約65万円)を区の公金である政務活動費で支出した浅井くにお区議(自民)に対し、すぎなみオンブズ有志はきょう(3月30日)までに、地方自治法や条例に反した違法な支出が含まれているとして半分の30万円あまりを返還させるよう求めた住民監査請求を申し立てた。
法律の規定では、監査委員は60日以内に監査結果を公表しなければならない。浅井議員がその間、自主的に返還するかどうか、返還しなかった場合に監査委員がどのような判断をするかが注目される。

大内裕和中京大学教授(「奨学金問題対策全国会議」共同代表)が私(三宅)の著作を盗用した疑いがある問題は、現在、大内氏代理人弁護士と私の代理人弁護士の間で和解の可能性をさぐって協議が進められている。大内氏側は、すくなくとも著作2点のなかに「類似した表現」がある事実を認め、一定の解決金を払うと提案した。しかし、著作権法違反は認めないという。さらに、和解条件として、三宅が今後この問題で「誹謗中傷」しないこと、過去の記事中「盗用剽窃」という表現を削除し、将来もつかわないこと、大内との紛争が解決した旨を公表することを上げている。要するに、金を払うから今後口を閉じろということだと私は理解した。とうてい受け入れがたい内容なので、無条件に違法性を認め、謝罪しない以上和解には応じられない旨の通知を送り返した。
大内氏側がこれを受け入れなければ訴訟などの法的手段に出る予定だ。訴訟に備えて現在準備を進めている。
記述の対称表を作成したので公開したい。読み比べて感想をおきかせいただければ光栄である。
★大内教授盗用疑惑 対称表

杉並区選挙管理委員会が情報公開請求にともなう審査請求(行政の行為に対する「簡易迅速」な不服申し立て目的とした法的手続き)を、2017年7月5日の申し立てから現在まで、3年8ヵ月以上も事実上「放置」している問題で、情報公開担当の管理職職員が筆者の問い合わせに対し、諮問機関(杉並区情報公開・個人情報審査会)の審査能力にあわせて本来とるべき手続きを遅らせてきたーーなどと遅延理由を説明した。
審査請求があると、審査庁(区長や選管など)は、本来、非開示処分を行った部署(同)に弁明書提出を求め、つづいて審査請求人に反論書提出を求めなければならない。それらの意見がひととおり出た段階で諮問機関に送り、審議・答申を待つ。その後、答申を受けて審査庁は採決をする。
ところが、杉並区は諮問機関のスケジュールにあわせて、弁明書の提出要求というもっとも最初の手続きから停滞させていたことが判明した。簡易迅速な不服審査の権利を保障した行政不服審査法の趣旨をないがしろにするもので、早急に検証・改善が求められる。
なお、板橋区総務課は、審査請求の手続きに関する取材に対して以下の通り説明した。(2021年3月17日。電話取材)
ーー審査請求の流れをおしえてほしい。
審査会に諮問を求めるまでの手続き総務課法規担当がをやる。諮問以後は情報公開担当がやる。
ーー諮問までの時間は。
審査請求があってからすみやか(数日)に、実施機関に対して弁明書の提出要求をする。提出期限は4週間をめやすにしている。弁明書が出てくると請求人に反論書提出を求める。同じく期限は4週間をめやすにしている。弁明書と反論が終わってから諮問する。弁明と反論がなんどもくりかえされて1年くらいかかることもある。
ーー実施機関が処分変更を予定しているような場合、弁明書要求を保留することはあるか。
変更する場合も、弁明書要求のあとですればいいのでそれはない。事務的に要求をする。弁明書要求の決裁は区長がやる。審査庁はすべて区長。一部、生活保護(国)や都の受託事務がある。この場合は審査庁は異なる。
3年8ヵ月以上におよぶ審査請求手続きの著しい遅れの違法性を問い、杉並区を相手取って10万円の損害賠償を求めた訴訟(仮称「杉並区サンパチ国賠訴訟」)の第1回口頭弁論は、4月15日14時30分、東京地裁415号法廷で開かれる予定。
杉並区選挙管理委員会の情報非公開処分について審査請求を行ったところ、3年8ヵ月以上たった現在も、審査会への諮問をはじめなんらの手続きもせず事実上店ざらしにしている問題をめぐる国家賠償請求訴訟の期日がきまった。第1回口頭弁論は、4月27日14時30分、東京地裁415号法廷で開かれる。読者各位のご期待とご支援をお願いする次第である。
杉並区選管「審査請求3年8ヵ月店ざらしは違法」国賠訴訟(よい呼び方がありましたらご提案ください)の事件番号は、令和3年(ワ)6051号(民事28部=4月1日から民事26部に統合予定)
※期日をまちがえて記載していました。お詫びして訂正します。