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杉並「阿佐谷区民センター”汚職”事件」 奥山妙子区議に聞く(2)

 今年4月に開館した阿佐谷区民センターの指定管理者選定をめぐる汚職疑惑問題について、前回にひきつづき奥山妙子区議に話を聞く。

(事件の概要)田中良杉並区長は緊急事態宣言発令中の2021年7月14日、部下4人とともの軽井沢のゴルフ場に行った。東京商工会議所杉並支部の「会議」だった。飲酒をともなう会食と宿泊、ゴルフがセットだった。阿佐谷区民センターの指定管理者選定中だった。主催者・東商の会長は箱根植木社長の和田新也氏だが、同社は指定管理者に応募中だった。秘書課長は日帰りし、残りの4人は宿泊した。うち部下2人は箱根植木社長らとゴルフをしてから東京に戻った。一連の「出張」には公金が使われた。

 田中良杉並区長
 和田新也・箱根植木株式会社代表取締役、東京商工会議所杉並支部会長 

 浅川祐司秘書課長
 徳嵩淳一区民生活部長
 武田護産業振興センター所長
 海津康徳産業振興センター事業担当課長

 

ーー7月14日は指定管理者の選定委員会があった。徳嵩淳一区民生活部長は選定委員だった。

(奥山)はい。徳嵩区民生活部長は指定管理者選定委員会を欠席して商工会議所の会議(ゴルフ宴会)に参加した。職務としてどうなんだという問題がある。しかも、指定管理者の募集要項には、「関係者との故意の接触を禁ずる」とある。阿佐谷区民センターに関する指定管理者募集要綱。※注

https://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/kusei/monitor/1052320.html

※注 5 留意事項
(1)関係者との接触の禁止
応募団体の関係者(応募予定団体の関係者を含む)は、選定委員会委員及びこの募集に関係する区職員との故意の接触(現地確認・説明会への参加、要項に定められた質問、他業務等の正当な行為を除く)を禁じます。接触の事実が認められた場合には、失格となることがあります。

(選定委員)
東京都立大学都市環境学部准教授 金子憲(会長)
千葉大学大学院園芸学研究院教授 柳井重人
阿佐谷地域区民センター協議会会長 榎本正晴
社会保険労務士 澤木寛一
●区民生活部長 徳嵩淳一
都市整備部土木担当部長 友金幸浩

ーー関係者との故意の接触禁止を要綱で定めていた。

(奥山) この問題は2021年9月14日の一般質問で山田耕平議員(共産)が取り上げていますが、その翌日(15日)は区民生活委員会だったんです。そこに阿佐谷区民センターの指定管理者の選定結果が報告され、承認を求める議案が提出された。なんと選定された業者はオーチュー・箱根植木共同事業体だった。議案73号。

ーー問題の箱根植木が入っていた。

(奥山) つまり、よりによってこの箱根植木が選ばれている。私(奥山)は区民生活委員会の委員だった。厳しく質問した。ゴルフでプレーするときに部長はどうでしたか、だれと組んだかと尋ねたら、箱根植木の社長と回ったと答えた。関係者との故意の接触があった場合は「失格となることがあります」と要綱にある。この点をただしたが、故意の接触にあたりませんとかいろいろ言った。職員が業者と、今回は応募してきている業者とゴルフをすることはダメじゃないか、倫理上問題があるということをほかの委員も追及した。国家公務員は倫理規定があるが、Q&Aにはっきりと「ゴルフはだめ」と書き込まれている。すると区長は、そう書き込まれているのは不祥事がかつてあったからであって、杉並区の職員はそんなことはしませんから、と(いう趣旨の)答弁をした。杉並区にも倫理条例がある。あるが、ゴルフしたのは問題ないとはねつけた。

ーー苦しい言い訳だ。

(奥山) この件は総務財政委員会とかほかの委員会でも問題になった。そこでは、箱根植木の社長は、東京商工会議所杉並支部の会長として参加したのであって、応募業者としてではありません、などという詭弁をろうした。

 この東商の(ゴルフつき)会議にはオンライン会議で参加した人もいた。それもできたんじゃないかと指摘した。これに対しては住民監査請求の抗弁書のなかで、区長は「直接話さないといろいろ真意が伝わらない」と言い逃れしている。

ーーひどい話ですね。

(つづく)

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杉並「阿佐谷区民センター”汚職”事件」 奥山妙子区議に聞く(1)

 杉並区長選挙と区議補欠選挙が告示され、19日に投票がある。政治に失望し、あるいは関心を失い、投票に行かない有権者が多数いるかもしれないが、それはすなわち行政の腐敗を放置し、悪化させることに直結する。20年近く杉並区政を観察してきた筆者の実感である。

 気になりながら多忙にかまけてよく勉強してこなかった事件がある。「阿佐谷区民センター”汚職”事件」である。

 新築されたばかりの阿佐谷区民センター(2022年4月から運営開始)の指定管理者の選定作業中だった昨年7月、こともあろうに応募していた業者と区長、選定にかかわる幹部職員が軽井沢に泊りがけで行って飲食を伴う会合を開き、一部職員はともにゴルフを行った。そして、この業者は区民センターの指定業者に選定され、契約を締結したという事件だ。

 あきれたことには区長や職員の「”汚職”出張」には税金がふんだんに使われたという。

 以上の簡単な経緯をみただけでも強烈な腐臭がしてくる。広い意味での「汚職」と断言してよいだろう。

 これをよしとしない区民有志がたちあがり、指定管理契約の無効や汚職出張にかかった公費の返還を求めて住民訴訟を起こしたと聞き、筆者もおそまきながら勉強を開始した。

 まず裁判の内容にも詳しく、区議会議員として問題の追及を続けている奥山妙子議員に事件の内容を聞いた。その内容を何回かにわけて掲載する。

===

 奥山妙子議員に聞く「阿佐谷区民センター”汚職”事件」(1)

――どういう事件ですか。

(奥山)去年、2021年7月14日に田中良杉並区長と職員4人が群馬県の軽井沢に行ったんですね。総勢5人。

 田中区長
 浅川祐司秘書課長
 徳嵩淳一区民生活部長
 武田護産業振興センター所長
 海津康徳産業振興センター事業担当課長

 日程

7月14日
 区長・浅川秘書課長=公用車
 徳嵩部長、武田所長、海津課長=新幹線
 以上4人は宿泊

 会議が5時半終了、会食(飲酒あり)

 浅川課長は公用車で日帰り

7月15日
 区長・武田所長は新幹線で帰る
 徳嵩部長、海津課長はゴルフしたのち、新幹線で帰る 

(奥山) 同年9月14日の区議会一般質問で山田耕平議員(共産)がただしました。新聞報道もされました。そのときに問題になったのは、「出張」した時期は緊急事態宣言中だった点です。しかし問題はそれにとどまりません。

 この初日の「会議」の主催者は東京商工会議所杉並支部でした。幹部会議と称してコロナ問題とか杉並区の経済、区政、予算要望がだされた。職員が東商の話を聞く。そういう内容だった。会議は午後5時前に終わった。

 会議終了後夕食があった。区長は「少しは酒をたしなんだ」と総務部長が答弁しています。その後浅川秘書課長は公用車で東京に帰った。午後8時半に杉並到着しています。つまり、日帰りできた証拠です。ほかの4人は泊まった。翌15日、区長と武田所長は新幹線で帰り、残った2人(徳嵩、海津)は商工会議所の人たちとゴルフをした。

 ――初日は会食。15日は職員2人(徳嵩、海津)がゴルフ。

(奥山) 重要なのはこれからで、主催者である東京商工会議所杉並支部の会長は「箱根植木」という会社の社長です。折しも、新築中(当時)の阿佐谷区民センタ―の指定管理者の募集中で、箱根植木は応募業者のひとつでした。そして、7月14日はまさに第1回の選定委員会の日だったのです。おまけに徳嵩部長は阿佐谷区民センターの所管部署のトップであると同時に指定管理者選定委員会の選定委員だった。

 徳嵩部長は、7月14日の選定委員会を欠席して軽井沢に行ったということです。この日の選定委員会は応募業者の評価をする作業がなされています。徳武部長によれば、「東商の会議のほうが重要ですから」として、評価点を事前に入れておいたうえで委員会を休んだと説明しています。

つづく

 

 

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白塗りされた区長日程表
杉並区長の”お粗末”すぎる反論

 公用車を使い職員を引き連れて契約先の企業関係者とゴルフに行くなど目を覆わんばかりの腐敗行政を行っている田中良杉並区長のもとで、情報公開制度もむしばまれていることが明るみになりつつある。

 区長予定表を開示するよう条例にもとづいて情報公開請求したところ、懇親会の相手や訪問者の名前をことごく非開示にしただけでなく、手書きのメモ部分は「情報」(条例の定義は文書をさす)にあたらないというめちゃくちゃな解釈によって「白塗り」して出してきた。

 これは2018年4月のことで、筆者はすぐに非開示取り消しを求める審査請求を行った。以来4年ちかくもの時間が過ぎ、きのう(21日)ようやく処分を行った区長(処分庁)の弁明書(2021年12月14日付)が審査庁(区長)を通じて届いた。

 2018年に通知したとおりというなんら内容のない弁明だった。

 

 杉並区情報公開条例は、「情報」とは公文書のことである旨明確に定義している。同じ文書のなかの活字部分が「情報」で、手書き部分が「情報」ではない、などというのは子どもだましの詭弁だろう。文書改ざんに道を開くおそれもある。その誤りを指摘された杉並区長が4年ちかくもかかって出した弁明は、「文書のなかの手書き部分は”情報”ではない」という当初の説明を繰り返しただけだった。お粗末にもほどがある。

 さっそく以下の反論を提出した。

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要保存の「杉並区長予定表」を大量廃棄か
部長答弁で重大疑惑発覚

 幹部職員を引き連れ公用車を使って契約先の会社社長とゴルフに行くなど腐敗の限りをつくしている杉並区の田中良区長だが、条例で保障された市民の重要な権利である情報公開をないがしろにしている実態が15日の区議会本会議で明るみになった。

 区民からの情報公開請求を受けた公文書について、本来なら最低でも1年間は保管する義務がある。審査請求(通知から3か月以内に申し立て可)や処分取消訴訟(同6か月)という不服申し立てをされる可能性があるからだ。郵便物の不着や受け取りの遅れなどで通知が遅くなることもあるので、処分から1年は保管しておかねばならない。

 ところが、そうした保管を要する文書(区長予定表)を廃棄していたというのだ。

 奥山妙子議員に対する手島・情報行革担当部長の答弁。

手島部長 区長予定表はデータとしてシステムに保存した後は不要となることから随時廃棄しておりますが、情報公開請求のあった情報につきましては今月から審査請求期間等を考慮した期間、保存することとしております。

 (下記録画参照。6分30秒ごろから)

http://suginami.gijiroku.com/voices/g07_Video_View.asp?SrchID=7492

 「今月から」ということは、これまでは廃棄していたことを意味する。区長予定表の「手書きメモ」の入った文書について、区は随時廃棄文書だとして「毎日廃棄」してきた。やむなく区民有志が毎日開示請求をするという取り組みをはじめ、現在も続いている。その目的は文書廃棄を防ぐためだった。ところが、開示請求をしてもなお「廃棄」を続けていたのだ。「毎日開示請求運動」は2年以上続いているから、廃棄された可能性のある文書は500件を超すだろう。

 また、杉並区では区長予定表の手書き部分を「情報ではない」などという独自の解釈で「白塗り」する異様な取り扱いがまかりとおっていたが、これも「今月から」取りやめると手島部長は答弁した。

 どんでもないデタラメ行政である。

  

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東京23区中13区が
選挙運動費用収支報告書の一部黒塗りで「開示」
大半は再検討中

 選挙運動費用収支報告書の写しの交付を情報公開条例にもとづいて請求した際、全部開示するという運用が確認できたのは11区にとどまり、残りは寄附者の氏名・住所や出納責任者の印影を非開示にしていることが筆者の電話調査で判明した。

 全部開示すると回答したのは以下の11区。

 葛飾区、練馬区、豊島区、中野区、杉並区、台東区、新宿区、大田区、江戸川区、港区、板橋区。

 板橋区(選挙管理委員会)は当初、寄附者や出納責任者の氏名や住所も非開示としており、口頭での異議を受けて、出納責任者の印影のみを非開示とする処分に変更した。その印影非開示も違法だとして審査請求を行った結果、全部開示が妥当であるむね諮問機関が答申、全部開示に変更がなされた。

 非開示方針であると回答した12区に対して、筆者はこの板橋区の経緯を伝え、再検討を求めた。現在その回答を待っているところである。

 なお東京都選管も出納責任者の印影を非開示にしているが、現在再検討中とのことである。

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情報公開 杉並区 行政腐敗

杉並区の情報公開事務の違法を問う訴訟2件
まもなく判決

読者の皆さん、こんにちは。
杉並区の違法性が強く疑われる情報公開事務を問う訴訟の判決が今月末から来月にかけて2件あります。

(1) 11月30日13時 東京地裁415号法廷
(2) 12月3日13時25分 東京地裁803号法廷

勝訴の可能性が十分にあると期待しています。ご関心のある方はお越しください。

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杉並区のデタラメな情報公開制度運用をただす国賠訴訟2件が相次いで結審

 情報公開請求の対象文書の一部を黒塗りならぬ「白塗り」にして、非開示処分ではないという理屈のもと、取り消しの訴訟や審査請求などの不服申し立ての手続きを封じるという、にわかに信じがたい制度濫用が杉並区で横行している。この「白塗り」の違法性を問う国賠訴訟2件が、今月相次いで結審した。11月30日と12月3日にそれぞれ判決が言い渡される予定だ。審理を通じた印象から、よい判決がでるのではないかと期待している。

 1 東京地裁 令和3年(ワ)6051号 原告三宅勝久/被告杉並区。判決:11月30日13時、415号法廷

 2 東京地裁 令和3年(行ウ)179号 原告三宅勝久/被告杉並区。判決:12月3日13時25分、803号法廷

  1 の訴訟は次のような案件である。

 選挙運動費用収支報告書の写しを入手しようと杉並区情報公開条例にもとづいて開示請求したところ、全部開示したという通知を出しながら会計責任者の印影の一部を白く塗ったものしか交付しなかった。まちがっているのではないかと行政不服審査法にもとづいて審査請求したところ、3年8ヵ月もの長期にわたっていっさい手続きをせずに放置状態にした。

 訴えの内容は、

 ア・審査請求を3年8ヵ月も放置したのは違法である。

 イ・白塗りは非開示処分であるが、その理由を原告(三宅)に通知しなかったのは違法である。

 ウ・白塗り自体が違法な非開示処分、または条例に基づかない違法な文書加工である。

 ――というものである。これに対して杉並区は、

(ア)開示請求件数が多く、多忙だった、

(イ)印影の白塗りは処分ではない、

(ウ)偽造防止のための合理的処置である、

――よって違法性はない、などと反論している。

 

 2の訴訟は、記者懇談会の開催をめぐる決裁文書を条例にもとづいて開示請求したところ、通知文書で「全部開示した」としながら、職員の決裁印の一部を白く塗って被覆したものしか閲覧させなかったという案件である。

 これについて原告は、白塗りは非開示処分であり、それ自体が違法である。また、非開示理由を通知しなかったことも違法である、と訴えた。対する被告杉並区は、「白塗りは、根拠となる条例や規程はないものの、偽造防止のための合理的措置であり違法ではない。また白塗りは非開示処分ではない」と反論している。

 白塗りは「非開示処分」ではない、偽造防止のために白く塗っただけだと杉並区はいうのだが、そうしたことができる根拠について、説得力ある説明はされていない。 

 きょう(9月10日)の弁論(第2訴訟)では、筆者が「白塗りについての基準などを記した文書はあるのか」などと釈明を求めた点について、裁判長が「裁判所としても釈明してほしい」と被告に次回反論を求めたところ、被告代理人が「口頭で回答します」として「文書は存在しません」と即答、結審となった。第1訴訟でも、「これ以上反論しないのか?」といった発言を裁判官がする場面があった。戦況が苦しいにもかかわらず早々に結審したい様子がありありだった。敗訴やむなしと考えているのかもしれない。 

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情報公開「白塗り」は違法
国賠訴訟#2はじまる
次回は9月10日

 情報公開請求に対して、「開示」したとしながら白塗りをして超法規的に文書の一部を隠すという杉並区のデタラメな行政を問う国賠訴訟パート2(令和3年行ウ179)の第1回口頭弁論が、きょう29日、東京地裁民事38部(鎌野真敬裁判長)であった。原告・筆者は、白塗りは非公開処分であり、かつ違法な処分であるとして、この取り消しと国賠法1条1項にもとづく損害賠償請求を求める訴状を陳述。対する被告杉並区は、白塗りは処分ではないとして却下を求める答弁書を陳述した。

 杉並区は、この日の法廷に、問題の白塗り文書の「白塗りのないもの」を証拠提出した。白塗りにした文書を「開示した」のが2017年7月のことだから、原告とすれば、じつにまる4年を経て本来の開示請求手続きを受けたことになる。訴訟を起こさなければ「白塗り」のままズルズルとさらに時間が経過した可能性がある。

 文書の全開示を受けて、訴状のうち非開示処分の取り消しを求める部分は取り下げた。こんご国賠部分に集中して審理が行われることになる。

 答弁書によれば、被告杉並区は、「白塗りは処分ではない。偽造防止のための合理的な措置で違法はない」といった主張をする構えらしい。原告筆者の主張は、「白塗りは違法な非開示処分である。被告は非公開理由を通知する義務があるが、それを怠った」というものだが、はたしてこれをどうやって崩すのか、お手並み拝見である。

 次回第2回口頭弁論は9月10日10時40分、803号法廷である。被告杉並区が、反論を行う予定である。

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情報公開制度の破壊が進む杉並区
開示文書をすべて開示する必要なし――
訴訟で区が暴論展開

 条例にもとづいて「開示」したはずの文書の一部(職員の決裁印)を、黒塗りならぬ「白塗り」にして隠すという杉並区の異常な情報公開のあり方を問う2件目の訴訟の第1回口頭弁論が、29日10時40分から東京地裁803号法廷で開かれる。これに先立って被告杉並区から答弁書が届いた。(印影の一部を白塗りしたのは)印影の偽造防止のために線を引いただけで処分ではない、よって却下を求める――というのが趣旨だ。非公開処分でないのに文書を加工することがなぜできるのか。その理由について杉並区は答弁書でこんなことを言っている。

 …確かに本件条例(情報公開条例)には、被告職員の決裁印の印影部分に白線を引く加工を根拠づける規定は存在しない。
 しかしながら、印影部分をすべて公開した場合には、当該印影を偽造されるおそれがあり、これを防止するために、印影のごく一部に白線を引く加工をして閲覧に付し、あるいは写しを交付することは、合理的な理由に基づく措置と評価されるべきである。
 他方で、個別の国民が、実施機関が保有する情報の公開を受けるに当たっては、特定の文書について作成の申請に疑義が生じているような場合は別として、本件文書1ないし4のような回議用紙、支払票において、文書上、当該被告職員の氏名が明らかになっており、同職員が決裁印を押印することにより決裁をしていることが認識できれば足りるはずであり、それ以上に、処分行政庁あるいは情報公開事務を取り扱う情報公開係の職員において、原告という個別の住民に対し印影のすべてを公開しなければならないという職務上の法的義務を負担しているものと解すべき理由は存在しないというべきである。

(被告答弁書9頁)

 情報公開条例の手続き上「開示」した文書について、「すべてを公開」する職務上の法的義務などないというわけだ。とんでもない主張である。まったく逆だ。開示処分をしたのであればすべてを公開する義務を負う。非開示処分をしたのであれば、条例のどの非開示理由にあたるのか説明する義務を負う。情報公開条例を骨抜きにしかねない暴論である。

 主権者の関心が比較的薄いのをいいことに、条例が保障しているはずの「知る権利」の剥奪と制度破壊がなし崩し的に進んでいる。

白塗りされた杉並区職員の決裁印。情報公開の手続き上は「開示」したことになっている。
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杉並区情報公開審査請求 
「3年8ヵ月放置は違法」訴訟は合議体に格上げ

 杉並区選挙管理委員会に情報公開請求を行ったところ、「開示」したとしながら一部を「白塗り」にしたため、これを不服として審査請求の手続きをすると、こんどはじつに3年8ヵ月以上もの長期にわたって放置する――このずさんな情報公開事務の違法性を問う国賠訴訟(令和3年ワ6051)の第2回口頭弁論が、きょう24日、東京地裁(小田真治裁判官)であった。

 被告杉並区は、白塗りは「情報公開担当職員が印影の偽造防止措置をしたもので非開示処分ではない」「審査請求の遅延は業務多忙だったためであり、違法性はない」という趣旨の準備書面を陳述した。これに対して原告の筆者は、

1 明らかに非開示処分であり、違法な処分である。非開示理由の説明義務違反でもある。

2 仮に処分でないとすれば、白塗りをした情報公開担当職員が違法にしたことになる。

3 他区と比べて特段職員の負担が大きかった事情はみあたらない。多忙は著しい遅延を正当化する理由にはならない。

 という内容を準備書面で主張した。裁判官は原告の求釈明を受けて、被告杉並区に対して、白塗りが行政処分でないというのであればどの職員がどのような立場でそれを行ったのか、などの点について説明をするよう求めた。

 また次回から合議体(裁判官3人で審議をする)に移行することがきまった。慎重な審議が必要だと判断したためだろう。

 次回第3回口頭弁論は、9月1日11時、東京地裁415号法廷で開かれる。