カテゴリー
情報公開 横浜市 神奈川県警 行政腐敗

神奈川県警の「天下り黒塗りリスト」を暴け――訴訟
請求の拡張申し立て

 神奈川県警職員の再就職先が記載されているとみられる「求人票」、いわゆる天下りリストが完全黒塗りにされているのは違法だとして取り消しを求める訴訟を、筆者は現在本人訴訟で行っている。来月7月11日の弁論準備手続きを前にして、きょう請求の拡張申し立てを行った(投函)。

 県警は非開示決定をする際に、すくなくとも13件の求人票について非開示理由の通知をしていなかったことが訴訟手続のなかで判明しており、これらの通知漏れ文書に対する取り消し請求と国賠法にもとづく賠償請求(理由の付記義務違反)を追加した。

 引き続き御支援をお願いする次第である。

 ■請求の拡張申立書

カテゴリー
情報公開 杉並区 行政腐敗

杉並「阿佐谷区民センター”汚職”事件」 奥山妙子区議に聞く(1)

 杉並区長選挙と区議補欠選挙が告示され、19日に投票がある。政治に失望し、あるいは関心を失い、投票に行かない有権者が多数いるかもしれないが、それはすなわち行政の腐敗を放置し、悪化させることに直結する。20年近く杉並区政を観察してきた筆者の実感である。

 気になりながら多忙にかまけてよく勉強してこなかった事件がある。「阿佐谷区民センター”汚職”事件」である。

 新築されたばかりの阿佐谷区民センター(2022年4月から運営開始)の指定管理者の選定作業中だった昨年7月、こともあろうに応募していた業者と区長、選定にかかわる幹部職員が軽井沢に泊りがけで行って飲食を伴う会合を開き、一部職員はともにゴルフを行った。そして、この業者は区民センターの指定業者に選定され、契約を締結したという事件だ。

 あきれたことには区長や職員の「”汚職”出張」には税金がふんだんに使われたという。

 以上の簡単な経緯をみただけでも強烈な腐臭がしてくる。広い意味での「汚職」と断言してよいだろう。

 これをよしとしない区民有志がたちあがり、指定管理契約の無効や汚職出張にかかった公費の返還を求めて住民訴訟を起こしたと聞き、筆者もおそまきながら勉強を開始した。

 まず裁判の内容にも詳しく、区議会議員として問題の追及を続けている奥山妙子議員に事件の内容を聞いた。その内容を何回かにわけて掲載する。

===

 奥山妙子議員に聞く「阿佐谷区民センター”汚職”事件」(1)

――どういう事件ですか。

(奥山)去年、2021年7月14日に田中良杉並区長と職員4人が群馬県の軽井沢に行ったんですね。総勢5人。

 田中区長
 浅川祐司秘書課長
 徳嵩淳一区民生活部長
 武田護産業振興センター所長
 海津康徳産業振興センター事業担当課長

 日程

7月14日
 区長・浅川秘書課長=公用車
 徳嵩部長、武田所長、海津課長=新幹線
 以上4人は宿泊

 会議が5時半終了、会食(飲酒あり)

 浅川課長は公用車で日帰り

7月15日
 区長・武田所長は新幹線で帰る
 徳嵩部長、海津課長はゴルフしたのち、新幹線で帰る 

(奥山) 同年9月14日の区議会一般質問で山田耕平議員(共産)がただしました。新聞報道もされました。そのときに問題になったのは、「出張」した時期は緊急事態宣言中だった点です。しかし問題はそれにとどまりません。

 この初日の「会議」の主催者は東京商工会議所杉並支部でした。幹部会議と称してコロナ問題とか杉並区の経済、区政、予算要望がだされた。職員が東商の話を聞く。そういう内容だった。会議は午後5時前に終わった。

 会議終了後夕食があった。区長は「少しは酒をたしなんだ」と総務部長が答弁しています。その後浅川秘書課長は公用車で東京に帰った。午後8時半に杉並到着しています。つまり、日帰りできた証拠です。ほかの4人は泊まった。翌15日、区長と武田所長は新幹線で帰り、残った2人(徳嵩、海津)は商工会議所の人たちとゴルフをした。

 ――初日は会食。15日は職員2人(徳嵩、海津)がゴルフ。

(奥山) 重要なのはこれからで、主催者である東京商工会議所杉並支部の会長は「箱根植木」という会社の社長です。折しも、新築中(当時)の阿佐谷区民センタ―の指定管理者の募集中で、箱根植木は応募業者のひとつでした。そして、7月14日はまさに第1回の選定委員会の日だったのです。おまけに徳嵩部長は阿佐谷区民センターの所管部署のトップであると同時に指定管理者選定委員会の選定委員だった。

 徳嵩部長は、7月14日の選定委員会を欠席して軽井沢に行ったということです。この日の選定委員会は応募業者の評価をする作業がなされています。徳武部長によれば、「東商の会議のほうが重要ですから」として、評価点を事前に入れておいたうえで委員会を休んだと説明しています。

つづく

 

 

カテゴリー
情報公開 行政腐敗

情報公開手数料納付問題
群馬県はなお「現金納付」と判明

 情報公開請求によって開示された文書を郵送で受け取る際の手数料を一部自治体が「現金書留」など高額の費用がかかる方法に限定、利用者に負担が生じている問題で、関東地方の都道府県のうち神奈川県のほか群馬県も「現金納付」に限るとの運用をしていることがわかった。

 筆者は従来、納入通知書を発行せず現金のみという運用をしている都道府県は、関東地方では神奈川県のみだと認識していたが、これは取材不足による誤りであった。この場を借りてお詫びしたい。

 関東地方の都道府県で納入通知書を発行していないのは神奈川県と群馬県――というのが正確である。

 文書を郵送で受け取るための手数料の納付が、なぜ納入通知ではなく現金なのか、群馬県の情報公開事務を担う「生活こども部県民活動支援広聴課」に電話取材を行った。追って回答するとのことである。

 一方、神奈川県が情報公開における納入通知書の取り扱いについて検討をはじめていたことがわかった。情報公開担当部署の職員によれば、昨年末ごろ全国知事会の場で各都道府県に対する調査を実施した。それによれば、およそ半数の自治体で納入通知書やそれに準じるペイイージー(コンビニでの支払可)を取り扱っていることが判明したという。

 しかし、なおも「検討」を続けているとのことで、実現するかどうかは明答できない模様だ。筆者が指摘をはじめてからざっと2年、組織の動きの鈍さに愕然とするが、それはそのまま市民・住民の知る権利が軽んじられていることを意味する。

カテゴリー
いじめ 情報公開 神奈川県警 行政腐敗

神奈川県が情報公開手数料納付を「現金/郵便(定額小)為替」に限定するワケ

 神奈川県は全国の都道府県や国に先駆けて、1983年に情報公開条例を制定したことで知られる。しかし、40年を経た今、残念ながら情報公開後進県と評せざるを得ない。神奈川県警の天下りリスト(求人票)の法人名まで黒塗りにするという激しい非開示体質だけでなく、遠隔地からコピー代を納入する方法を「現金書留または郵便(定額小為替)」に限定している。こうした事実をみれば文字どおり「後進県」である。

 情報公開の手数料納入方法は、市民の知る権利にかかわる大きな問題だと筆者は考えている。現金納付と納入通知書による納付では、利用者の負担には雲泥の差がある。

 納入通知書を発行すれば、開示請求者は手数料なくもよりの指定金融で納入することができる。一方で、現金書留や郵便為替は高額の手数料が発生する。郵政民営化以降、為替料金は高額になった。普通為替で約500円、定額小為替は1枚200円だ。

 関東地方の都道府県は、神奈川県と群馬県※を除いてすべて納入通知書を発行している。地方自治法231条は、歳入は納入通知によらねばならない旨規定している。

第231条 普通地方公共団体の歳入を収入するときは、政令の定めるところにより、これを調定し、納入義務者に対して納入の通知をしなければならない。

 つまり、現金による収受はあくまで例外だ。

 なぜ納入通知書を発行しないのか――神奈川県情報公開広聴課に対して、筆者はこの疑問を再三にわたって指摘し、改善を求めてきた。記憶によればコロナ騒動の初期からだから、かれこれ2年以上になるだろう。同課は「検討中である」「コロナ対応で人手不足である」などといって解決を先送りにしてきた。

 そしていまなお、何も変わらず、先日も以下のような文書を送りつけてきた。

 20円のコピー代を現金書留か為替で送れという指示書だ。為替については宛名欄を空欄にするように指示、さらに紛失しても責任を負いかねるから書留郵便で送るように「助言」している。白紙の為替は現金とかわらない。

 まるでいやがらせである。社会に対するイジメといってもよいだろう。

 開示請求を抑止したいのか、それとも「現金」にこだわる別の理由があるのか。まさかとは思うが、「現金」を郵便によって物理的にやりとりする限り、そこには一定の不透明さが伴う。 

 ※その後の取材で群馬県も「現金」のみであることが判明しました。謹んで訂正します。

 

カテゴリー
「奨学金ローン」問題 大内教授問題 情報公開 日本学生支援機構 研究不正 研究倫理 著作権問題

日本学生支援機構の「違法?回収マニュアル」の黒塗り取消し求めて本日提訴

 独立行政法人日本学生支援機構が組織的に違法回収を行っている証拠とみられる文書がある。題して「法的処理実施計画」。情報公開請求したところ、ほぼすべてを黒塗りにして出してきた。

 

これを公開すれば、悪質な利用者が財産や居場所を隠すなどして機構に損害を与える恐れがある――というのが理由だ。

 公的な組織という立場がまるでわかっていない。ふざけた理由ではないかと筆者はかねて憤慨していたが、やはり黙っているのはよくないと、このほど黒塗りの取り消しを求める行政訴訟を東京地裁に提起した。資金不足で本人訴訟で行わざるを得ない。

 追ってご報告したい。読者各位の御支援を呼びかける次第である。

■黒塗りの法的処理実施計画

 

 

カテゴリー
情報公開 板橋区 行政腐敗

選挙運動費用収支報告書非開示の違法問う国賠訴訟が結審、9月14日判決

 選挙運動費用収支報告書の写しを入手する目的で板橋区選管に対して情報公開請求したところ、寄附者の氏名・住所、出納責任者の印影など多数か所を非開示にした(印影以外は2週間後に撤回)ことの違法性を問う国賠訴訟の口頭弁論が、6月6日、東京地裁(民事49部、村田一広裁判長・令和3ワ26199)であり、結審した。判決は9月14日に言い渡される。

 事件の経緯は以下のとおり。

 2020年9月、筆者は板橋区選管に対して坂本健区長の区長選にかかる選挙運動費用収支報告書の情報公開請求を条例にもとづいて行った。これに対して同選管は同年10月、坂本氏のものを除くすべての個人名や住所、電話番号を非開示にしたものを「開示」した。個人情報だというのが理由だった。

 すべて開示すべきではないかと口頭で職員に苦情を伝えたところ、2週間後に大半の黒塗りは撤回された。しかし、出納責任者の印影は引き続き非開示のままだったため、2020年12月、印影非開示の取り消しを求めて行政不服審査法に基づく審査請求を申し立てた。

 審査請求手続きのなかで、諮問機関の「板橋区情報公開及び個人情報保護審査会」は2021年9月8日、「非開示は妥当ではない」との答申を出す。答申後も板橋区選管が「印影非開示」を取り消さなかったため、同年10月11日、国賠訴訟を提起、第1回口頭弁論の同年12月、ようやく印影をすべて開示した収支報告書を法廷に提出した。――

 選挙運動費用収支報告書の印影を非開示としている自治体は、筆者が把握する限りでは高知県選管と東京都選管で、いずれも審査請求の手続きが行われている。23特別区の選管はいずれもすべて開示している。

https://miyakekatuhisa.com/archives/206
https://miyakekatuhisa.com/archives/830
https://miyakekatuhisa.com/archives/848

カテゴリー
情報公開 横浜市 行政腐敗

横浜市情報公開通知大量発行問題
 原因は事務マニュアルの”意味不明の”記載か

 横浜市に情報公開請求をすると、ときとして1件の単純な請求内容にもかかわらず、数百通にのぼる大量の決定通知が送られてくる。煩雑をきわめて通知内容がにわかに把握できず、通知の意味をなしていない。その原因をさぐるため、横浜市の情報公開事務マニュアルをこのほど開示請求手続きを経て入手した。そこに、大量通知の原因とみられる記載があった。

 

「一部開示決定通知書」をまとめるには・・・

 1請求書に対して複数の対象文書があり、一部開示決定をする際には、原則、1対象文書につき1通の一部開示決定通知書を作成しなければなりません。

 しかし、「4非開示とする部分の概要」、「5非開示とする根拠規定」、「6根拠規定を適用する理由」が完全に一致する場合は、1通の一部開示決定通知書にまとめることができます。

<具体例>

対象文書が4文書で、非開示部分の概要がそれぞれ以下のとおりの場合

・行政文書A(非開示部分:個人の氏名)

・行政文書B(非開示部分:個人の住所、印影)

・行政文書C(非開示部分:個人の氏名)

・行政文書D(非開示部分:(個人の氏名、印影)

 一部開示決定通知書を作成する場合は、4文書を次のとおり非開示部分の概要ごとに分類し、3通の一部開示決定通知書を作成します。

一部開示決定通知書(個人の氏名)

行政文書A

行政文書C

一部開示決定通知書(個人の氏名、個人印の印影)

行政文書B

一部開示決定通知書(個人の住所、個人印の印影)

行政文書D

「1対象文書につき1通の一部開示決定通知書を作成しなければなりません。」――どうやら、このマニュアルの指示を忠実に実行した結果が、大量の通知文だということらしい。対象文書の数だけ通知文をつくれというわけだ。

 何のためにこんな指示があるのか、筆者は理解できず市民情報課に趣旨をたずねた。おどろいたことに、即答しかねるとの反応だった。職員らは意味不明の「マニュアル」に従って粛々と「大量通知」を行っていたことになる。

 筆者は市民情報課に対して、「1対象文書につき1通の一部開示決定通知書」のマニュアルの意味について、課内で調査した上で回答するよう申し入れた。回答があり次第ご報告する。

■横浜市情報公開事務マニュアル

カテゴリー
情報公開 横浜市 行政腐敗

神奈川県警天下りリストの黒塗りは違法――裁判
反論の書面提出

 神奈川県警の元職員が再就職するための民間企業の「求人票」を全面黒塗りにしたことの違法性を問う訴訟が現在横浜地裁で進んでいる。5月30日に予定されている弁論準備手続にそなえて、原告の筆者はきょう、反論の書面を郵送した。この場を借りてご紹介したい。いたらない部分が多々あると思うので、御意見をいだだければ光栄である。

 ====

令和3年(行ウ)第75号 情報公開非開示処分取消等請求事件
原告 三宅勝久
被告 神奈川県
                  2022年5月30日

横浜地方裁判所 第1民事部御中

準備書面2

                    原告 三宅勝久  

 被告の主張に対して以下反論する。

第1 対象文書の整理
 本訴訟において原告が処分取消を求める対象文書を、以下のとおり「A文書」と「B文書」の2種類に分類した上で整理する。
 A文書:地方公共団体が作成・提出した求人票(部署名・連絡先等を非開示にしたもの) 
 B文書:民間企業などの法人が作成した求人票(法人名などを非開示にしたもの)

(1)A文書 
 合計36枚
(内訳)
2016年度 5枚  
2017年度 7枚 
2018年度 7枚 
2019年度 12枚 
2020年度 5枚 
(甲4−1、4−2)

(2)B文書
 合計641枚
 (内訳)
2016年度 93枚 (甲5−1、5−2)
2017年度 109枚 (甲6−1、6−2)
2018年度 194枚 (甲7−1、7−2)
2019年度 165枚 (甲8−1、8−2)
2020年度 80枚 (甲9−1、9−2)

第2 求釈明
 対象文書を整理する過程で判明した不明点について、原告の主張・立証に必用であるので釈明を求める。
 
(1) A文書のうち「配置希望表(警察官)」の記載がある文書(甲4−1の27、28枚目)は、神奈川県知事部局への再就職(再雇用)を目的として被告神奈川県が作成したものか否か、文書の作成者および文書の意味を説明せよ。
(2) A文書(甲4−1)の32~34、36枚目の各文書に日付がないのはなぜか、理由を釈明せよ。また、甲13(横浜市が開示した求人票との対象表)の25~27、29の各頁における左右の文書は同一のものか、否か、説明せよ。
(3) 横浜市に対する情報公開請求により、横浜市教育委員会が作成した2020年11月6日付の求人票が開示された。しかしながら、本件開示請求ではこの文書は請求対象文書として特定されていない(甲13、30頁)。理由を説明せよ。
(4) B文書2019年度164枚目の文書(甲9−1・164頁、「令和2年1月28日」「259」の記載があるもの)に記載された「人事課記入欄」の意味を説明せよ。

第3 反論
(1)A文書について
 A文書に分類した各文書は、地方公共団体である横浜市や大和市などが作成し、神奈川県に提出したものである(以下「本件各地方公共団体求人票」などという)。法人概要欄の非開示部分は、横浜市、大和市の部署名の一部である。これらの情報を非開示とした理由について、被告は、条例5条1号に規定する個人識別情報に該当する旨述べる。
(被告準備書面1・23頁最終行から数えて4行目〜24頁12行目)
 しかしながら、この主張は失当である。以下理由を述べる。

 (あ) 条例5条1号イに該当する
 本件各地方公共団体求人票のうち横浜市が作成・保有しているものについて、原告は同市長宛に情報公開請求を行った。その結果、求人票に記載されたほぼすべての情報が開示された(甲13各頁右側の文書)。以上の事実から、本件各地方公共団体求人票の法人概要欄にかかる情報が、条例5条1号イの「慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」に該当することは明らかである。

 (い)条例5条1号ウに該当する
 条例5条1号ウは、個人識別情報であっても「公務員等の職務の遂行に関する情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る情報」に該当する場合は開示すべきである旨定めている。この規定の趣旨について、被告作成の解説書は次のとおり説明している。

 「公務員等の職務遂行の内容に係る情報」とは、公務員等が分掌する職務を遂行する場合におけるその情報(例えば、行政処分その他の公権力の行使に係る情報、職務としての会議への出席及び発言、その他の事実行為に関する情報等)をいい、公務員等の情報であっても、人事管理上保有する、職員等の健康や休暇、身分取扱いに関する情報等は、公務員等の職務遂行の内容に係る情報には含まれない。
(甲10、16頁本文11〜16行目)

 この解説を踏まえ、条例を自然に解釈すれば、地方公共団体作成による求人票に記載された部署名が条例5条ウの「公務員等の職務遂行の内容に係る情報」に該当することは明白である。

(2)B文書について
 B文書に分類した各文書は、会社法人など国や地方公共団体、独立行政法人以外の法人が作成し、神奈川県に提出したものである。法人概要欄の非開示部分(以下「本件各法人情報」などという)は、企業などの法人名と所在地などの基本情報である。これらを非開示とした理由について、被告は、条例5条2号に規定する「当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある情報」に該当し、かつ同号ただし書きにも該当しない旨述べる。
(被告準備書面〈1〉16〜17頁)
 しかしながらこの主張は失当である。以下理由を述べる。
 被告作成の条例解説書は、5条2号の趣旨についてこう説明している

本号該当性の考え方
 法人等又は事業を営む個人に関する情報で非公開とするものは、公開することにより当該法人等又は当該個人の「権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある」情報であり、これに該当する情報の典型的なものとしては、生産技術上又は販売上のノウハウに関する情報、信用上の正当な利益を害する情報がある。公開請求に係る情報が当該法人等又は当該個人の「権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある」情報に該当するかどうかは、当該情報の内容のみでなく、法人等又は事業を営む個人の性格、目的、事業活動における当該情報の位置付け等にも十分に留意しつつ、慎重に判断する必要がある。なお、この「害するおそれがある」かどうかの判断に当たっては、単なる確率的な可能性ではなく、法的保護に値する蓋然性が求められる。
(甲10、20頁3〜14行目) 

 求人票記載の法人情報を公表することで、当該法人の▽人事管理に支障が生じる、▽外部の者から誤解が生じ社会的評価が下がる、▽同業他社との関係等で、労働者の待遇や業務体制に関し、競争上の地位その他正当な利益を害されるおそれがある――などという被告の説明は、いずれも漠然とした「おそれ」を述べているにすぎない。本件各法人情報が法的保護を必用とする具体的な事情は存在しない。
 また、原告が警視庁と埼玉県警に対して本件の求人票に相当する文書の開示を情報公開請求したところ、どちらにおいても法人名をすべて開示した(甲11、甲12)。開示することによって、当該法人などの利益が損なわれたとする事実はない。公務員退職者の再就職先を開示するのは社会通念である。
 以上のとおりであるから、本件各法人情報は条例5条2号に該当するとの被告の主張は失当である。

以上

 

 

カテゴリー
情報公開 横浜市 行政腐敗

横浜市からの「配達証明の嵐」続く
  あらたに14通届き計23通に

 横浜市の情報公開事務が、多数ある区や局から個別に「開示日程の調整」の書簡を続々と送るなど非効率かつ煩雑をきわめている問題で、「無意味で税金のムダなので中止せよ。必要ならメールで連絡せよ」を求めたにもかかわらず、先に送付してきた9通に加えてあらたに14通の書簡が区局から内容証明郵便などで届いた。

 一方、肝腎の開示決定通知はごく一部(書簡を送ってきた23の部署のうち一か所=市民情報課)しか届いていない。

 また、横浜市は46の区と局があり、最大で46通の書簡を予想していたが、財政局や中区のように同じ区や局から複数の書簡を送った例があった。このまま、配達証明の嵐が続けば、最終的に46通を超す可能性が出てきた。

 情報公開事務の総合担当部署である市民情報課が全庁内の文書をとりまとめて通知と日程調整の連絡をすれば、経費も少なくてすみ事務の効率もよいはずだ。それをせずに文書の管理を各部署にまかせたままにしている。

 ”配達証明の嵐”は文書管理を事実上放棄しているに等しい横浜市の”お寒い”実態を浮き彫りにしている。

 日程調整の書簡を送ってきた部署は以下のとおり(5月4日現在)。 

 ・都市整備局総務課

 ・資源循環局総務課

 ・財政局財政部財源課

 ・財政局契約第1課管理係

 ・財政局公共施設・事業調整課

 ・医療局総務課

 ・経済局政策調整部総務課

 ・港北区総務課

 ・瀬谷区総務課

 ・建築局総務部総務課

 ・戸塚区総務課

 ・中区総務課

 ・中区地域振興課

 ・金沢区総務課

 ・会計室会計管理課

 ・保土ヶ谷区総務課

 ・中区保険年金課

 ・市民局総務課(開示決定通知書=送付ずみ)

 ・こども青少年局総務課

 ・道路局総務課

 ・財政局管財課

 ・港湾局総務課 

 筆者はこれらの部署と市民情報課に対して、次の内容のメールを送った。

実施機関横浜市長さま

 1月18日付情報公開請求にかかる開示手続きに関して、多数の区部局から日程調整の書簡が届いていますが、開示決定通知が一部しかとどいておらず、また文書量も不明である現時点では日程の調整は不可能です。

 今後さらに同様の書簡を送られる予定がありましたら、税金のムダですのでおやめいただきますようお願いします。

 書簡をみると、すでに開示決定がなされているようですので、すみやかに通知書を送っていただきますようお願いします。その際、文書量もあわぜてお知らせください。

 郵便料金を節約するために極力まとめて郵送するようにお願いします。

 なお、5月12日から28日までは東京を不在にする予定ですので受け取ることができません。11日必着でお願いします。それ以降の到着が見込まれるばあいは投函前にメールにてご連絡ください。
 
 決定の全容と文書量を確認することができた時点で、閲覧の日程を調整したいと思います。

 なお、本庁舎にてまとめて作業をしたいと思います。

 三宅勝久

■購読料・寄付にご協力ください

カテゴリー
オ―プンハウス 情報公開 横浜市 神奈川県警 行政腐敗

神奈川県警「天下りリスト」の黒塗りをはがす裁判

 筆者は現在4件の民事裁判を当事者として争っている。

1 大内裕和武蔵大教授に対する著作権侵害訴訟(控訴審)

2 杉並区に対する国家賠償請求訴訟(控訴審。情報公開請求で文書を白塗りにしたことの違法性、審査請求を4年放置したことの違法性) 

3 板橋区に対する国家賠償請求訴訟(1審。情報公開請求で選挙運動費用収支報告書の一部を非開示にしたことの違法性)

4 神奈川県に対する情報公開非開示処分取消等請求訴訟(神奈川県警が元職員の再就職のために企業などから受け取った求人票の企業名を非開示にしたことの違法性)

 この連休中は、「4」の事件の準備をする予定だ。5月30日に横浜地裁で弁論準備手続きが予定されている。

 上に紹介した事件は、すべて筆者が原告となって本人訴訟で起こした(1は控訴審から代理人弁護士に委任)。いずれもジャーナリストとして取材をしているなかで問題に行き当たったことがきっかけだ。

 気のせいかもしれないが、以前であれば記事や取材で問題を指摘しただけで是正されていたことが、いつの間にかそうならなくなった。当事者は開き直って横車を押すような言い訳を平気でやり、周囲は無関心か、見て見ぬふりをする。そんな社会に変わってしまったように思う。

 あきらめるのは面白くないから、やむを得ず裁判で決着をはかっている。上に紹介した程度の内容で、筆者ごときが身銭を切って裁判をやらざるを得ないこと自体、この社会のもつ自浄作用が劣化していることの現れかもしれない。

 ■購読料・寄付のご協力をお願いします