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大内裕和氏の「研究不正」問題で武蔵大が本調査決定

 大内裕和武蔵大学人文学部教授(前中京大教授)の盗用問題で、武蔵大学予備調査委員会は本調査を行うことを決定した。高橋徳行学長名で、10月21日、筆者に連絡があった。今後、学内規程に基づき、研究不正行為調査委員会を設立した上で本調査を実施するという。

 大内氏は「奨学金ローン」に関する著作多数(一部は科研費の助成を受けている)において、筆者(三宅)の記事や著書の一部ときわめて類似した文章を記載しており、「研究不正」が疑われている。筆者は当初中京大学に告発を行ったが、同大は予備調査の結果「本調査不要」として本調査を実施しなかった。

 今年4月に大内教授が武蔵大学に転職したため、武蔵大に対して再度告発を行っていた。

 武蔵大学の調査の行方を見守りたい。 

 大内氏は2013年に設立された奨学金問題対策全国会議の代表を、設立以後継続して務めている。

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大内裕和・前中京大教授(現武蔵大教授)の研究不正予備調査はじまる

 大内裕和・前中京大教授(今年4月から武蔵大教授)の著作盗用事件で、武蔵大学(高橋徳行学長)は9月28日、研究不正調査に関する学内規程に基づき予備調査委員会を設置した。29日付で大学から筆者に連絡があった。今後、同月19日付で筆者が行った告発について調査可能性や告発の合理性などを予備調査で審査し、本調査を要するとの結論になれば、研究倫理委員会による本調査が実施される。

 中京大の予備調査委員会は「本調査不要」として門前払いしており、武蔵大予備調査委がどういう対応をするか注目される。

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「盗用」に口拭う大内教授が教職課程の教鞭をとる絶望

 武蔵大ホームページに載っている大内裕和教授のプロフィールによれば、大内氏の専門分野は「社会教育学、教育制度論」で、同大学では教職課程に所属しているとのことである。

https://3s.musashi.ac.jp/kgResult/japanese/researchersHtml/RT2B22003/REP_SENMON_BNY/RT2B22003_REP_SENMON_BNY_2.html

 まっとうな研究者であれば申し開きのしようがない「盗用」をしておきながら、独自の文章である、データを使っただけである、などと苦しい言い訳をして全力で責任回避を続ける大内氏と、彼の不正を擁護し、被害者の声を徹底して無視する取り巻き連中(同じ組織に属する弁護士や大学教授)の姿は、学校現場で多発するいじめと光景が似ている。いじめっ子はそれを見て見ぬふりをする周囲の「ふつうの子」や教師の存在があってはじめて権力を持つ。

 不正隠蔽を現在進行形で進める当人が「教職課程」で教員を養成をするというのはブラックユーモアである。研究不正もいじめも、これではなくるはずがあるまい。

 ■大内事件に関する論文

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研究不正シンポ 動画を公開

 さる11月29日に開催された研究不正をテーマにしたオンラインシンポジウムの内容が動画で公開されました。ご案内します。

 シンポジウム
【深く広がる日本の研究不正 —「競争的環境」が生み出す没個性のお粗末な不正】 (2021年11月29日 14時~18時)

第1講演
齋藤 文良(東北大学名誉教授・多元物質科学研究所元所長)
矢野 雅文(東北大学名誉教授・電気通信研究所元所長)
演題:「名誉回復と不正を繰り返さないために、今、東北大学がやるべきこと」

第2講演
三井 隆弘(岩手大学教育学部准教授)
演題:「教育学系学術論文にみられる多重投稿・自己盗用」

第3講演
三宅 勝久(ジャーナリスト)
演題:「ジャーナリストの著作を研究者が“盗用”しても不問なのか? 中京大と大内教授の詭弁」

  コメンター:原田 英美子(滋賀県立大)、池上 徹(東大)ほか

◆主催:日本科学者会議(JSA)助成研究「国立大学法人財務構造及び学長(総長)裁量経費の経年推移からみた法人化後大学経営の実態」・JSA科学者の権利問題委員会有志

◆主催者代表:大村 泉

関連原稿はこちら

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大内教授著作権侵害訴訟
次回は12月24日

 読者のみなさん、こんばんは。

 大内裕和中京大学教授による著作権侵害を問う訴訟の第3回目の期日(弁論準備)が、きょう10月25日、東京地裁民事47部でありました。応援に駆けつけてくれた読者の方々にはお礼を申し上げます。

 パクリ元の記事の存在は知っていたが内容は読んでいない。だから著作権侵害はない。そもそも三宅の書いたものはありふれた表現であって著作権法上の著作物ではない――というのが大内氏の主張で、これに対して原告の筆者は詳細な反論をしました。次回は大内氏側が反論をする番です。

 丸写しのような文書を書いておいて、元記事は存在を知ってはいたが読んでいないというのは見え透いた嘘というほかありません。それがまかりとおるのは周囲が許すからなのだと痛感します。たしかに、大学教授という地位のある人物のインチキを追及するよりは、見て見ぬふりをしたほうが世渡りは楽かもしれません。

 自民党の腐敗政治が続く構図と似たものがある気がします。
  
 次回は12月24日14時から、東京地裁602号法廷で第4回目の弁論準備手続きがあります。はじめて相手側代理人が名古屋から来る予定です(傍聴はできません)。手続き終了後簡単な報告会・親睦会をやりたいと思います。

 引き続き応援くださいますようお願い申し上げます。


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” パクリ 疑惑”のネタ記事
「存在は知ったが読んでいない」と大内裕和氏強弁
中京大教授著作権侵害訴訟

 中京大学・大内裕和教授の「盗用」めぐる著作権侵害訴訟で、またまた驚愕の反論が登場した。大内氏がパクったと原告の筆者(三宅)が主張している雑誌記事(『選択』2012年4月、無署名)について、2013年10月末時点で記事の存在は知ったものの内容は読んでいない。よって、依拠していない(パクっていない)というのだ。つまり偶然の一致だと言いたいらしい。

 訴状に添付した対象表の一部を掲載する。ご覧になっていただきたい。偶然によってこれほど似通った文章ができるものだろうか。取材・調査の方法はまったく異なる。筆者の記事は文科省や学生支援機構に直接取材した結果が反映されている。一方の大内氏のものは、同氏の説明によれば、公表されたデータや文献によって書いており三宅の記事はいっさい参考にしていないという。

 大内氏の説明を私はとても信じることができない。少なくとも研究倫理違反の疑いありで調査の対象になってしかるべきだろう。だが中京大は「本調査不要」としていっさいを不問に付している。大内氏と名を連ねて広く社会で活躍している著名学者らも、知ってか知らずか、一様に口をつぐんでいる。

 むろん、というべきか、新聞テレビは報じない。タブーなき真のジャーナリズムを目指して創刊された『週刊金曜日』ですら大内氏に批判的な記事を不採用とする始末だ。

 社会のすさまじい劣化を肌身で感じる日々である。

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大内裕和中京大教授の不自然な言い分
講演録出版の「校正作業には関わっていない」は本当か?

 大内裕和中京大教授による著作権侵害を問う訴訟で、被告大内氏から奇妙な言い分が出てきた。私の著作物(雑誌『選択』2012年4月号収録記事)と酷似した表現のある著書『ブラック企業と奨学金問題 ーー若者は、いま 愛知かきつばたの会20周年記念シンポジウム』 2014年11月発行)に、盗用した上に創作を加えたとしか考えられない表現がある点について、訴訟のなかで追及したところこんな回答をしてきたのだ。

 〈被告(大内氏)は、(同著の)校正作業に関わっていない〉(被告準備書面(1)) 

 これがなぜ奇妙なのかについては若干説明が必要だ。

 前掲書の大内氏の記述とはシンポジウムでの講演録である。その一部が、私が以前発表した『選択』記事と酷似していたため、著作権侵害であると問題視している。

 じつはこの大内氏の講演録のなかに、私の記事と酷似しながらも意味がまったく異なる表現がある。学生支援機構が債権回収を民間業者に発注した際、受注した債権回収会社がさらに「下請け2社」に回収業務を委託したと大内氏は記述している。私はそんなことは書いていない。回収業務を行っているのは債権回収業者であって下請けなど存在しない。大内氏は明らかに誤ったことを書いている。

 この誤りは、大内氏が原資料を持たないまま『選択』の記事を写し取り、内容をよく理解しないまま脚色を加えた結果だと私は考え、訴訟で追及した。

 「下請け」について、提訴後の答弁書で大内氏はまずこう弁明した。

「…シンポジウム記録のため、当該箇所についての言い間違え又は反訳の間違えである」

 言いまちがいと反訳のまちがいではずいぶん違うが、とにかくまちがいであることは認めた。だが通常講演録を本にするときは原稿に目を通す。明白なまちがいがあればそこで気づくはずだ。なぜ気づかなかったのかという疑問が残る。

 そこで私は、大内氏に対して求釈明(相手方に説明を求める民事訴訟法上の手続き)した。

 出版に際して著者校正をしたのか否か――

 はたして、上に紹介したとおりの回答が返ってきた。「校正作業には関わっていない」。

 講演録を文字にして出版する際に目を通さないとは驚いた。大内氏は自身の講演に相当な自信があるのだろうか。私にはとうてい無理である。大内氏の説明も信じられない。盗用の裏付けとなりうる明らかな誤りを指摘されて、責任逃れを試みているだけのように見える。

 仮にそうだとすれば、著名な学者である分、とてつもなく見苦しい。

〈参考〉

■『ブラック企業と奨学金問題 愛知かきつばたの会20周年記念シンポジウム』 (2014年11月)の大内氏による記述

 2010年度の利息収入は232億円、延滞金収入は37億円です。これらのお金は経常収益に計上されています。原資とは無関係のところへ行っています。行き先は銀行と債権回収専門会社です。
 2010年度期末で民間銀行の貸付残高はだいたい1兆円で、年間の利払いは23億円です。債権回収会社は、同年度、約5万5000件を★下請け会社け会社二社に委託し★、16億7000万円を回収していて、そのうち約1億400万円が手数料として支払われています。

■『選択』2012年4月号 三宅記事

 10年度の利息収収入は232億円、延滞金収入は37億円に達する。これらの金は経常収益に計上され原資とは無関係のところに消えている。この金の行き先のひとつが銀行であり、債権管理回収業者(サービサー)だ。10年度期末で民間銀行からの貸付残高はざっと1兆円、年間の利払いは23億円。また、サービサーについては、同年度で約5万5千件を日立キャピタル債権回収など2社に委託し、16億7千万円を回収、うち1億400万円が手数料として払われています。

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中京大教授の著作権侵害を問う訴訟
次回期日と報告会のお知らせ

 おはようございます。地震が頻発しています。備えの必要性を感じる昨今です。原発を中止できない政府を退場させる作業も重要な「備え」だと思います。揺れの強かった地域の方々にはお見舞い申し上げます。

 さて、筆者が大内裕和中京大教授を相手に起こしている著作権侵害訴訟の次回期日が今月25日に開かれます。弁論準備と呼ばれる非公開手続きです。この期日にあわせて簡単な報告会を催します。参加ご希望の方は25日午後2時半ごろに東京地裁13階にある民事47部前の廊下に起こし下さい。手続き終了後に(30分ほどで終わる予定です。待っていただく必要があります)換気のよい場所(日比谷公園を予定しています)に移動してご報告したいと思います。

 ご不明な点があればお電話でお問い合わせください。お気軽に起こし下さい。

 080-4620-8544(三宅)

 

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大内裕和氏の教員歴を答えない愛媛大学
「個人情報にあたる」

 出身大学と出身学部を秘密にしている”謎の研究者”大内裕和中京大学教授の研究歴を調べるため、筆者は28日、愛媛大学に電話取材をした。大内氏は、松山大学の教員時代(2000年ごろから2011年まで助教授、教授をしていたとみられる)に愛媛大学の非常勤講師をしていた旨自身で語っている。その事実を確認するための取材だった。

 愛媛大学は国立大学法人なので、法律「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律に基づいた情報公開制度がある。開示請求した数時間後にメールで「開示しない」と「回答」した松山大学や、情報公開規程そのものを開示しない中京大学のようなぞんざいな対応はしないだろう。そう高をくくっていたところ、予想外な対応に驚くことになった。

 過去に授業を行った講師に関することは「個人情報」であるから回答できない――愛媛大学広報課はそう言ったのだ。やむを得ず情報公開請求を行うことにしたが、ここでもひとつ疑問を覚える対応に出くわした。請求1件300円の手数料を送る必要があるのだが、その送金方法は「現金書留」のみ、定額小為替は受け付けられないというのだ。

 現金書留は約500円もの費用がかかる。定額小為替は100円である。到底納得できず、定額小為替で送る旨通告した。まさかとは思うが、受理しないということがあれば前代未聞の出来事になるかもしれない。

 おいおい進展状況を報告したい。

 

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大内裕和中京大教授に対する著作権侵害訴訟、「三宅記事は存在も知らなかった」との主張はほぼ完全に破綻

 大内裕和中京大教授が、自身の著書や雑誌記事、論文多数のなかで私(三宅)が過去に発表した著述と酷似した表現を使用、著作権侵害にあたるとして損害賠償を求めた訴訟の弁論準備期日が8月30日、東京地裁であった(大内氏側は電話で参加)。大内氏側は、▽三宅の記事は単なる事実を書いているだけで著作物ではない、▽(パクリ元のひとつとして指摘している)雑誌「選択」2012年4月号記事は、その存在すら知らなかった――と果敢に反論した。しかし、早くも大きなほころびが露呈した。

 というのも、『選択』記事に関して、大内氏が大学の調査に対して次のような説明をしていたことが訴訟手続のなかで判明したのだ。

 三宅らとの共著『日本の奨学金はこれでいいのか!』(2013年10月、第1刷発行)の三宅執筆部分を読んだ後、(同著の三宅稿の注釈で紹介されていた)『選択』記事の存在を知った――(趣旨)

 選択記事からのパクリ(疑惑)は、『日本の奨学金はこれでいいのか!』第1章の大内氏執筆部分でまず行われ、つづいて雑誌記事や講演多数で繰り返されている。つまり、大内氏の大学への説明内容に基づけば、『これでいいのか!』の大内原稿については、執筆時点で『選択』記事を知らなかったという言い訳はなんとか成り立ったとしても、それ以後に発表した記事や講演については、『選択』記事を知っていて発表したと自認したことになる。

 そして、『これでいいのか!』の大内原稿のほうも、『選択』記事は知らなかったとはとても信じがたい事情がある。すなわち、同書は2度にわたって増刷されたのだが、大内氏は問題のパクリ疑惑部分にいささかの変更も加えていないのだ。

 もし『これでいいのか!』発行後に『選択』記事を知ったのであれば、そこにきわめて似た表現があることに気がつかないはずがない。偶然の一致なのだから驚くだろう。しかし大内氏は、修正はおろか、私(三宅)への問い合わせすらしていない。

 最初から『選択』の記事のことを知っていたと考えるのが自然だ。

 8月30日の手続き終了後、裁判官がこんなことを尋ねてきた。

 「和解で解決する意思はあるか」

 著作権侵害を認めて謝罪する、口外禁止条項をつけない、誹謗中傷しないなどの批判禁止条項をつけない、といった内容であれば可能であると私は答えた。流れはこっちに傾いているようだ。