選挙運動費用収支報告書の写しの交付を求めて情報公開請求したところ、「全部開示した」と通知しながら、じっさいは一部を白く塗ったものしか開示しない「白塗り」事件をめぐる国賠訴訟で、筆者はきょう12月10日、賠償請求を棄却した1審東京地裁判決を不服として東京高裁に控訴した。
東京高裁 令和3年(ワ)2565号(26民事部)
地裁判決(令和3年(ワ)6051号)は、
1 白塗りは非開示処分ではなく、法令に基づかない違法行為
2 審査請求を4年も放置したのは社会通念に照らして不当である
--と事実認定したうえで、国賠法にもとづく賠償をするほどの損害は発生していないと判断した。
筆者は、1の事実認定は誤りで、白塗りは非開示処分にあたり、条例上の義務である理由通知義務に違反している、と判断するのが正しいと考えている。
訴訟手続きの費用もばかにならないが、 それでもこうした訴訟を行っているのは、「白塗り」や審査請求の放置が、市民の権利を脅やかす重大な問題をはらんだ事件であり、看過してはならないと思うからである。
・白塗り事件判決(2件)はこちら
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