東京都杉並区が情報公開請求に際して、非開示処分とは別の形で文書を白く塗る加工を行い、それに疑義を唱える趣旨の審査請求を起こすと、約4年間もなんら手続きを進めずに放置したことの違法性を問う訴訟の判決が11月30日にあった。小田真司裁判長は、国賠法にもとづく賠償請求を棄却する判決を言い渡したが、判決理由のなかで、
▽白塗りには法的根拠がなく違法である、
▽審査請求を4年も放置したのは社会通念に照らして不当である、
――との判断を示した。ただし、国賠法にもとづく賠償をするまでの責任はないと結論づけた。
主文だけみれば敗訴であるが、情報公開条例をふみにじって根拠なく恣意的な判断で文書の一部を「白く塗る」杉並区の行政行為の違法性や、簡易迅速に行政に不服を申し立てる審査請求の制度をないがしろにしている点が「不当」であると判断した点は勝訴といってよい。
御支援いただいた方々に心よりお礼申し上げたい。
12月3日にも同種の問題を争点とした訴訟の判決がある。追ってご報告したい。