国会議員に対する文書交通費(月額100万円)が、たとえ1日在籍しただけでも一ヶ月分満額が支給される現行法について強い批判が出ている。この種のボッタクリ支給の悪習は地方自治体にもあった。まだやっているところがあるかもしれない。
筆者が最初に気づいたのは杉並区での問題であった。非常勤監査委員に対する報酬が、月のうちの在籍日数にかかわらず月額を満額支給するという条例だった。この制度を悪用して、監査委員(議員選出)が毎年5月29日に交代し、新旧双方の監査委員(定員2人×2=4人)に月額報酬(15万円)を払っていたのだ。用意のいいことには、年間2人×13ヶ月分の予算を準備していた。
条例どおり払っている、問題ない、というのが当時の区(山田宏区長=現在は自民党参議院議員)の説明だった。いくらなんでもおかしいと思い、住民監査請求(棄却)を経て住民訴訟をやり、違法・無効であるとの判決を勝ち取った。
議員報酬についても、1日在籍しただけで約60万円の月額報酬を満額支給するという条例だったが、裁判を機に日割りにあらためられることになった。
いまから10年以上前、2009年のことだ。腐敗した政治・行政をただしていくのは容易なことではない。
「月額」悪用で年間13ヶ月分 水増し報酬にタカる東京・杉並区監査委員