中京大学・大内裕和教授の「盗用」めぐる著作権侵害訴訟で、またまた驚愕の反論が登場した。大内氏がパクったと原告の筆者(三宅)が主張している雑誌記事(『選択』2012年4月、無署名)について、2013年10月末時点で記事の存在は知ったものの内容は読んでいない。よって、依拠していない(パクっていない)というのだ。つまり偶然の一致だと言いたいらしい。
訴状に添付した対象表の一部を掲載する。ご覧になっていただきたい。偶然によってこれほど似通った文章ができるものだろうか。取材・調査の方法はまったく異なる。筆者の記事は文科省や学生支援機構に直接取材した結果が反映されている。一方の大内氏のものは、同氏の説明によれば、公表されたデータや文献によって書いており三宅の記事はいっさい参考にしていないという。
大内氏の説明を私はとても信じることができない。少なくとも研究倫理違反の疑いありで調査の対象になってしかるべきだろう。だが中京大は「本調査不要」としていっさいを不問に付している。大内氏と名を連ねて広く社会で活躍している著名学者らも、知ってか知らずか、一様に口をつぐんでいる。
むろん、というべきか、新聞テレビは報じない。タブーなき真のジャーナリズムを目指して創刊された『週刊金曜日』ですら大内氏に批判的な記事を不採用とする始末だ。
社会のすさまじい劣化を肌身で感じる日々である。
