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大内裕和中京大教授の不自然な言い分
講演録出版の「校正作業には関わっていない」は本当か?

 大内裕和中京大教授による著作権侵害を問う訴訟で、被告大内氏から奇妙な言い分が出てきた。私の著作物(雑誌『選択』2012年4月号収録記事)と酷似した表現のある著書『ブラック企業と奨学金問題 ーー若者は、いま 愛知かきつばたの会20周年記念シンポジウム』 2014年11月発行)に、盗用した上に創作を加えたとしか考えられない表現がある点について、訴訟のなかで追及したところこんな回答をしてきたのだ。

 〈被告(大内氏)は、(同著の)校正作業に関わっていない〉(被告準備書面(1)) 

 これがなぜ奇妙なのかについては若干説明が必要だ。

 前掲書の大内氏の記述とはシンポジウムでの講演録である。その一部が、私が以前発表した『選択』記事と酷似していたため、著作権侵害であると問題視している。

 じつはこの大内氏の講演録のなかに、私の記事と酷似しながらも意味がまったく異なる表現がある。学生支援機構が債権回収を民間業者に発注した際、受注した債権回収会社がさらに「下請け2社」に回収業務を委託したと大内氏は記述している。私はそんなことは書いていない。回収業務を行っているのは債権回収業者であって下請けなど存在しない。大内氏は明らかに誤ったことを書いている。

 この誤りは、大内氏が原資料を持たないまま『選択』の記事を写し取り、内容をよく理解しないまま脚色を加えた結果だと私は考え、訴訟で追及した。

 「下請け」について、提訴後の答弁書で大内氏はまずこう弁明した。

「…シンポジウム記録のため、当該箇所についての言い間違え又は反訳の間違えである」

 言いまちがいと反訳のまちがいではずいぶん違うが、とにかくまちがいであることは認めた。だが通常講演録を本にするときは原稿に目を通す。明白なまちがいがあればそこで気づくはずだ。なぜ気づかなかったのかという疑問が残る。

 そこで私は、大内氏に対して求釈明(相手方に説明を求める民事訴訟法上の手続き)した。

 出版に際して著者校正をしたのか否か――

 はたして、上に紹介したとおりの回答が返ってきた。「校正作業には関わっていない」。

 講演録を文字にして出版する際に目を通さないとは驚いた。大内氏は自身の講演に相当な自信があるのだろうか。私にはとうてい無理である。大内氏の説明も信じられない。盗用の裏付けとなりうる明らかな誤りを指摘されて、責任逃れを試みているだけのように見える。

 仮にそうだとすれば、著名な学者である分、とてつもなく見苦しい。

〈参考〉

■『ブラック企業と奨学金問題 愛知かきつばたの会20周年記念シンポジウム』 (2014年11月)の大内氏による記述

 2010年度の利息収入は232億円、延滞金収入は37億円です。これらのお金は経常収益に計上されています。原資とは無関係のところへ行っています。行き先は銀行と債権回収専門会社です。
 2010年度期末で民間銀行の貸付残高はだいたい1兆円で、年間の利払いは23億円です。債権回収会社は、同年度、約5万5000件を★下請け会社け会社二社に委託し★、16億7000万円を回収していて、そのうち約1億400万円が手数料として支払われています。

■『選択』2012年4月号 三宅記事

 10年度の利息収収入は232億円、延滞金収入は37億円に達する。これらの金は経常収益に計上され原資とは無関係のところに消えている。この金の行き先のひとつが銀行であり、債権管理回収業者(サービサー)だ。10年度期末で民間銀行からの貸付残高はざっと1兆円、年間の利払いは23億円。また、サービサーについては、同年度で約5万5千件を日立キャピタル債権回収など2社に委託し、16億7千万円を回収、うち1億400万円が手数料として払われています。

作成者: MIYAKE.K

みやけかつひさ ジャーナリスト・スギナミジャーナル主宰者

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