私は1998年から2001年までの3年間、山陽新聞社の社員記者として香川県高松市で暮らした。そのときの縁で、『昭和わたしの証言Ⅴ』(西岡幹夫・山崎俊範編、美巧社)と題する証言集に寄稿させていただいた。香川と縁のある25人(と私)がそれぞれの人生を振り返った内容には迫力がある。
もっとも若い著者(56)である私は、高松市が菊池寛の作品集を発行したことを問題視して支出金の返還を求める訴訟を起こした元高松市議・滝恒夫さん(故人)の取材経験に触れながら、〈「記者クラブ」と「報道の自由」――菊池寛訴訟を通じて滝恒夫さんから学んだこと――〉と題する小論を書いた。マスメディアをめぐる問題が日々深刻さを増す昨今だが、駆け出し時代から足掛け30年以上にわたる記者経験を振り返り、問題の根源がどこにあるのか、私なりに考えたつもりである。お読みいただければ光栄である。
http://www.bikohsha.co.jp/html/publication/9784863871519.htm
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