大内裕和中京大教授は研究者でありながら、どこの大学の何学部を卒業したのかを明らかにしないという珍しい人である。中京大に尋ねると「個人情報」であり、本人が開示を望んでいないのだとして回答を拒んだ。
こうなるとますます気になる。大内氏は、中京大の前は、助教授または教授として松山大学にいたことがわかっている。そこで松山大に電話をかけ、尋ねた。
「大内教授の松山大における経歴を教えてほしい」
応対したのは総務部人事課。同課職員は、さほど時間をおかずにこう言った。
「もう辞めた教員なのでお答えする必要はありません」
奇妙なことを言うものだと思った筆者は、情報公開請求を思い立ち、次の質問をした。
「情報公開請求の制度があると思うので、手続きを教えてほしい」
これに対する回答に筆者はあきれた。「そのような制度はありません」と職員は言った。
「そんなはずはない。情報公開の規程があるのではないか」
そう言ったが、職員は「規程はありません」ときっぱりと言った。
「本当なのか」
筆者はにわかに信じられず、念を押した。電話がいったん保留となった。
(続く)