比較的空いている時間帯でもCO2(二酸化炭素)濃度が1000ppmを超える(外気で約400ppm、コロナ感染防止には700ppm以下の換気が提唱されている)東京地下鉄(東京メトロ)に対して、CO2濃度の測定を行っているのか、換気対策が不十分ではないか、と質問したところ、1日付で広報課より以下の回答があった。
先日お問い合わせいただきました車内換気につきまして 以下のとおり回答させていただきます。
* 電車内の換気状況や方法について
→空調の使用、一部窓開け(1車両につき2カ所程度)による車内換気を実施しています。
* 二酸化炭素濃度を測ることはしているか?
→昨年度、国立研究開発法人産業技術総合研究所の提案を受け、共同でCO2濃度減衰法を用いた車内換気量の実車測定を実施いたしました。 当社車両においては、1車両につき2カ所の窓開け(10cm)、空調の使用、停車駅ごとのドア開扉により 約8分で車内の空気が入れ換わることが確認されております。 試験の詳細については産業技術総合研究所の公表内容を参照願います。
https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2020/nr20201203/nr20201203.html
空いた状態でも1000ppmを軽く超す換気状態でも問題はないということなのだろう。恐るべき危機意識のなさだ。
加えて疑問に思ったのが、窓開け2ヶ所(10センチ)によって「約8分」で車内の空気が入れ替わるとした産業技術総合研究所の実験結果である。同研究所のホームページに掲載されている実験内容をみると、乗客にみたてたマネキン人形を車内に配置し、CO2ガスを放出した後にその濃度の減少状況を測定したとある。マネキン人形は、当然のことながら息をしない。CO2を吐き出さない。じっさいの人間が多数乗車した状況とは異なる。
マネキンではなく人間が多数乗って実験すれば、はたして「約8分」で空気が新鮮なものに入れ替わるだろうか。測定を通じて筆者が感じた印象では、そうはならない気がする。
東京地下鉄広報課に、あらためて以下の質問をした。
私(三宅)が電車内(丸の内線)で測定したCO2濃度は、さほど混雑しておらず(1 車両に立ち客が20人以下)、窓が2ヶ所以上開いた状況でも1000PPMを頻繁に超 える結果となりました。換気は十分にされているとお考えでしょうか。また、じっさい の運行時にCO2濃度を測定する予定はありませんか。
回答があり次第ご報告したい。