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情報公開 杉並区 行政腐敗

情報公開制度の破壊が進む杉並区
開示文書をすべて開示する必要なし――
訴訟で区が暴論展開

 条例にもとづいて「開示」したはずの文書の一部(職員の決裁印)を、黒塗りならぬ「白塗り」にして隠すという杉並区の異常な情報公開のあり方を問う2件目の訴訟の第1回口頭弁論が、29日10時40分から東京地裁803号法廷で開かれる。これに先立って被告杉並区から答弁書が届いた。(印影の一部を白塗りしたのは)印影の偽造防止のために線を引いただけで処分ではない、よって却下を求める――というのが趣旨だ。非公開処分でないのに文書を加工することがなぜできるのか。その理由について杉並区は答弁書でこんなことを言っている。

 …確かに本件条例(情報公開条例)には、被告職員の決裁印の印影部分に白線を引く加工を根拠づける規定は存在しない。
 しかしながら、印影部分をすべて公開した場合には、当該印影を偽造されるおそれがあり、これを防止するために、印影のごく一部に白線を引く加工をして閲覧に付し、あるいは写しを交付することは、合理的な理由に基づく措置と評価されるべきである。
 他方で、個別の国民が、実施機関が保有する情報の公開を受けるに当たっては、特定の文書について作成の申請に疑義が生じているような場合は別として、本件文書1ないし4のような回議用紙、支払票において、文書上、当該被告職員の氏名が明らかになっており、同職員が決裁印を押印することにより決裁をしていることが認識できれば足りるはずであり、それ以上に、処分行政庁あるいは情報公開事務を取り扱う情報公開係の職員において、原告という個別の住民に対し印影のすべてを公開しなければならないという職務上の法的義務を負担しているものと解すべき理由は存在しないというべきである。

(被告答弁書9頁)

 情報公開条例の手続き上「開示」した文書について、「すべてを公開」する職務上の法的義務などないというわけだ。とんでもない主張である。まったく逆だ。開示処分をしたのであればすべてを公開する義務を負う。非開示処分をしたのであれば、条例のどの非開示理由にあたるのか説明する義務を負う。情報公開条例を骨抜きにしかねない暴論である。

 主権者の関心が比較的薄いのをいいことに、条例が保障しているはずの「知る権利」の剥奪と制度破壊がなし崩し的に進んでいる。

白塗りされた杉並区職員の決裁印。情報公開の手続き上は「開示」したことになっている。

作成者: MIYAKE.K

みやけかつひさ ジャーナリスト・スギナミジャーナル主宰者

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