中京大学(学校法人梅村学園)に対して大内裕和教授の出身大学に関する文書の開示を求める情報公開請求をしようとしたところ、ふたつの疑問にぶつかって作業を中断せざるを得なくなった。ひとつは開示請求書に請求人の属性を記載する欄があることについてだ。
〈請求者所属/該当する番号に○印/①学生・生徒 ②保護者 ③本学園教職員 ④利害関係人等/※利害関係人の方は、本法人との関係を具体的にご記入ください。〉
(注)その後、現在は開示請求書が改訂され(「④利害関係人等」は、「④その他」に変更されたとのことです)2021年6月8日追記
これに疑問をもったのは、中京大学の情報公開制度は、学校関係者や利害関係人に限らずだれでも請求できるとの説明を担当の広報課長から受けていたからだ。制度が変わったのは今年4月1日。それ以前は学校関係者と利害関係者しか使えなかった。だれでも請求できるのならなぜ「請求者所属」を記載する必要があるのか理解できない。
もうひとつは、請求にあたって免許証やパスポート、マイナンバーカードの写しを同封するよう案内している点である。国の官庁や地方自治体、独立行政法人の情報公開制度ではこのような身分証の提示を求められることはない。中京大学の情報公開制度はだれでも請求できる制度だ。なぜ身分証を提示する必要があるのかわからない。もとより、関係者限定だった旧来の情報公開制度のときは身分証の提示は不要だったのだ。
以上の疑問をもった筆者は、あたらしくなったという情報公開の規程を確認しようとホームページを見た。情報公開制度の説明をホームページに載せることにすると以前課長が説明していたから、当然そこに掲載されていると思っていた。たしかに開示請求書は載っているのだが(以前は請求書自体が掲載されていなかった)、規程はどこにもない。
https://www.chukyo-u.ac.jp/public_information/a12.html
そこで広報課に電話をして尋ねた。対応したのは課長ではなく部下の職員である。
――情報公開の規程を開示してほしい。
およそ半日かかって返ってきた回答はこうだ。
「規程は開示していません」
だれにでも開示請求ができる制度だといいながら、その根拠規程を開示しない。情報公開の規程が秘密にされている「情報公開制度」というものを筆者ははじめて見た。
中京大学というのはなかなか調べがいのある組織のようだ。取材を続けたい。