大内裕和中京大学教授(奨学金問題対策全国会議共同代表)の著作(書籍・雑誌記事・講演多数)のなかに筆者(三宅)の著作(書籍および雑誌記事)と酷似した記述があり、著作権侵害や研究倫理上の盗用が疑われる問題は、昨年7月から筆者と大内氏の間でおこなわれていた和解協議が事実上決裂、訴訟に発展する可能性が高まった。
◆問題の記述についてはこちらをご参照ください
権利侵害を指摘する筆者側に対して和解協議を申し入れたのは大内氏のほうだった。訴訟はしたくないとの意向も伝えられた。そこで協議のテーブルに乗ったのだが、同氏から提示された和解案とは、筆者が将来にわたってこの件で大内氏の批判をしないとの口止め条項が入るなど、ジャーナリストを職業とする者には到底受け入れられない内容だった。また「類似した表現」があり、それは謝るものの著作権侵害は認めないという意味不明の内容でもあった。
そこで当方はこれを拒絶し、著作権侵害を真摯に認め、無条件に謝罪・賠償することを要求、受け入れないのであれば訴訟手続きに入る旨を伝えていた。この「最後通牒」に対する回答が、回答期限の3月30日付で、代理人の樽井直樹弁護士から届いた。
…三宅氏としては今後もこの問題を記事などで取り上げる可能性があり、特定のテーマについて将来書かないと約束することはできないというご意向とのことでした。このことは、三宅氏としては、本件について当事者間の協議によって解決をするご意思はないと受け止めざるを得ません。
大内(裕和中京大教授=筆者注)としては、本件について訴訟などの場での争いに発展することなく解決をすることを期待して、三宅氏からのご要望にも対応して参りました。大内としては、今後とも、本件を話し合いによって解決することを希望していることをお伝えするものです。

よく意味がわからない回答である。和解協議の主題は大内氏による権利侵害だったはずである。協議を申し入れたのも大内氏の側だ。それが、私が大内氏の批判をするかどうかという問題にすり替わってしまっている。
和解交渉は事実上決裂した。そう判断せざるを得ない。提訴の準備を早めたところだ。今月中には訴状を出したいと考えている。読者各位のご支援を仰ぐ次第である。