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四日市で考えたこと(2)

「奨学金問題対策全国会議」が設立されたのは2013年3月だ。母体は通称「クレサラ対協」(正式名称は「全国クレサラ・生活再建問題対策協議会」)と呼ばれる多重債務問題に取り組む法律家や被害者らの団体である。筆者はヤミ金取材やサラ金問題の取材、特に武富士問題で2002年ごろから深い付き合いがあった。貸金業法の改正など大きな進展があった後、筆者は次なる「債鬼」の到来を予感して、奨学金ローン問題の取材に着手した。2010年に『債鬼は眠らず サラ金崩壊時代の収奪産業ビジネスレポート』(同時代社)大内裕和・武蔵大教授(前中京大教授)を上梓し、その中に日本学生支援機構のサラ金化に警鐘を鳴らす記事を収録した。

 筆者は「奨学金問題対策全国会議」設立と同時に同会に入ったが、上記のような取材活動を踏まえて設立メンバーから要請されたからである。また設立にあわせて共著を出すという計画を全国会議でたて、事務局を通じて筆者に執筆依頼がきた。

 全国会議の代表である大内裕和氏と面識を持ったのはこのときである。そして、後に発覚したことだが、このときに作成した共著の筆者執筆部分を大内氏が著作のなかで「盗用」し、

 

 同時に共著の大内氏執筆部分には、それ以前に筆者が雑誌に発表した無署名記事からの「盗用」があった。

 この全国会議を、ある理由から筆者は2015年に退会する。そして2019年7月に再び入会したいと申し出たところ拒絶された。全国会議に対する損害賠償請求訴訟をおこしているのは、この入会拒絶が思想差別であり、精神的苦痛を受けたという理由からである。

 なお、訴訟の中で全国会議は「入会を要請したことはない」「共著執筆は(出版社の)要望をとりついだだけだ」などと述べている。前述したとおりこれは事実ではない。

 この裁判をたたかう上で何か参考になる知見が得られるのではないかと考えたのが、四日市に調査にでかけた動機である。

(つづく)

作成者: MIYAKE.K

みやけかつひさ ジャーナリスト・スギナミジャーナル主宰者

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