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盗用疑惑の大内氏が代表をする「奨学金問題対策全国会議」が法廷で開陳した❝批判者締め出し❝の名案

 多数にわたる著作盗用が発覚しながらいっさい責任を取らないという研究者にあるまじき態度を取っている大内裕和・現武蔵大学人文学部教授は、「奨学金問題対策全国会議」という任意団体の代表でもある。

 大内氏の著作盗用については本ブログでも繰り返し指摘してきたが、盗用を筆者が発見した端緒は、2019年7月にさかのぼる。この「全国会議」に筆者が(再)入会しようとしたところ、拒絶されたたという事件である。

 順を追って経緯を説明したい。

 全国会議は2013年3月に設立され、ほぼ同時期に筆者は設立メンバーから勧誘される形で会員となった。そして、会議の事務局からの依頼で共著『日本の奨学金はこれでいいのか!』(あけび書房、2013年10月刊行)の執筆を行った。当時多忙だったのでいったん断ったが、懇願されて引き受けた。以後しばらくの間、積極的に活動に協力した。

 しかし、約2年9ヶ月後の2015年12月に筆者は退会する。同会議の活動方針に疑問があったためだ。

 疑問とはこうだ。

 同会議に入ってまもなく、筆者は日本学生支援機構が「繰り上げ一括請求」と呼ばれる施行令に反した違法な貸し剥がし(支払能力を無視した期限の利益喪失)をしている事実を取材のなかで突き止め、前述の共著のなかで告発した。そして、全国会議としてもこの問題に取り組むよう再三にわたり働きかけた。ところが、この提言に対する同会議の関心は低く、ほとんど黙殺された。この様子をみた筆者は、同会議を外部から批判する必要があると考えた。そこでいったん退会することにしたのだ。

 退会に際して筆者は、一括請求について同会議が正面から取り組むよう促すのが退会の動機であるから、取り組みがなされるようになれば再び会に戻る意思があることを伝えた。

 はたして、退会から3年半が過ぎた2019年7月、筆者は偶然目にした全国会議の報告書で、同会議が「一括請求問題」について一項を設けて問題提起していることを知った。じつは、退会後ほどなくして「一括請求」の問題提起を目立たない形でしていたのだが、問い合わせも連絡もなかったので気づかなかった。

 全国会議の問題提起を知った筆者は、一括請求への関心が出てきた以上、もはや退会を続ける理由はなくなったと考えた。そこで、ふたたび同会議に入会し、ともに「奨学金ローン」問題に取り組みたい旨メールで申し入れた。なんら問題なくすんなりと受け入れられると予想していた。

 ところが返ってきた回答は「入会お断り」だった。理由にはこうあった。

 〈一括請求のことを熱心に主張することが予想され、会の活動に支障が出る。(趣旨)〉

 熱心に問題提起をすることがどうして会の活動を妨げることになるのか。不自然なものを感じた筆者は、ふと思い立って、それまであまり注目していなかった代表者の大内裕和氏の著作を調べてみた。大内氏が「一括請求」について発言するのを一度も見たことがなかった。その大内氏がどうして「一括請求」を理由にして筆者の入会拒否に同調するのか、奇妙に思ったのだ。

 その結果、大内氏が筆者の著作を多数にわたり「盗用」している事実を発見したのである。

 ――このようないきさつである。

 前置きが長くなったが、本稿の主題に入る。

 筆者は昨年7月、全国会議と代表大内氏に対して訴訟を起こした。「一括請求問題を熱心に主張する」ことを理由に入会拒否したことが不法行為にあたるとして損害賠償請求をする内容である。

 入会拒否だけなら訴訟をするつもりはなかった。だが、大内氏が盗用について最低限の謝罪すらしていないことを看過するわけにはいかなかった。著作権侵害の追及には限界があることから、やむなくあらたな切り口を探し、入会拒否問題で訴訟を起こすことにしたのだ。

 この訴訟の第1回口頭弁論が5日、東京地裁であった。訴えの概要は、全国会議の規程にもとづく入会承認(不承認)手続きを経ずに筆者の入会を拒絶した、思想差別であり精神的苦痛を受けた。全国会議や代表者の大内氏には賠償する責任がある、というものである。これに対して、被告全国会議が答弁書で反論を展開した。その内容に絶句した。

 趣旨はこうだ。

〈全国会議の規程に定める入会要領によれば、「全国クレサラ・被害者連絡協議会」(略称。クレサラ被連協)の会員以外は同会会員2名の推薦人をつけて、年会費2千円と所定の申込書によって申し込むとある。三宅はクレサラ被連協の正会員ではない。推薦人を伴って正式な入会申込みはなされていない。したがって、規程に定める入会審査も不要である。手続きに不備はない。〉

 正式な申込みがされていないから、入会拒否したことに問題はないという理屈だ。生活保護申請の「水際作戦」(窓口の職員が難癖をつけて申請をさせない行政手法)を彷彿とさせる。入会申請がないのに入会拒否をするというのもよくわからないが、その点についての説明はない。

 2013年の入会時にはこんな形式的な問題はなかった。想像するに、規程が定める入会審査抜きで入会拒否をしたことをとりつくろおうとして、正式な入会申込みではなかったといえばいいじゃないかと「名案」を思いついたということではないか。

 さすが弁護士である。頭がよい。司法試験に受かっただけのことはある。 

 だが、「三宅はクレサラ被連協の正会員ではない」から全国会議入会には推薦人が必要だという言い分は、内情を知るものからみれば三宅排除のための方便にしか見えない。筆者は、遅くとも武富士と訴訟になった2003年以降、クレサラ被連協のメーリングリストに加入し、会員らと積極的に交流してきた。会員になるよう求められたこともあるが、断った。取材する者と取材を受ける者の間に一定の距離を置くべきだと考えたためだ。つまり、クレサラ被連協の準会員的立場だった。

 思えば、入会拒否問題が起きた後、筆者がクレサラ被連協のメーリングリストで発言をしていたところ、非会員が発言してはならないなどといった意見が突如出始め、やむなく推薦人を募って正会員となった経緯がある。「正会員問題」は、今回の裁判で全国会議が展開した論理に通じるものがある。「うるさい三宅」を締め出すために知恵ものが考えたのではないか。

 いうまでもなく、筆者が全国会議を批判したのは、同会の一員として建設的な議論を促し、活動の活性化を期待してのことである。退会後に大内氏を批判したのは、盗用という明白な不正行為をしておきながら、責任を取らない、取らせないことが、会の信用失墜につながるとの考えもあってのことである。

 どうやら相手はそうは受け取っていないことがはっきりと見えてきた。

〈三宅に言われなくても「一括請求問題」はちゃんとやっていたんだ。大内代表にも非はないんだ〉

 本気でそう考えている。むろん、どう考えるかは個々の自由だが、批判者を物理的に排除するというのは、論戦をする覚悟がないことの証である。閉鎖的な活動は沈滞を招く。これも社会の衰退の一断面なのだろう。 

「マスコミはサラ金問題を取り上げない」とかつて厳しく新聞・テレビを批判した人たちが、日本学生支援機構(顧問弁護士は武富士代理人の熊谷信太郎氏である)の不当な取り立て行為を厳しく追及する一介のジャーナリストから全力で逃走しようとする姿は滑稽ですらある。結局は、新聞・テレビにちやほやされたいだけではないのか。

  

 

作成者: MIYAKE.K

みやけかつひさ ジャーナリスト・スギナミジャーナル主宰者

「盗用疑惑の大内氏が代表をする「奨学金問題対策全国会議」が法廷で開陳した❝批判者締め出し❝の名案」への1件の返信

大内氏は自分が法廷に出廷すべきだと思います。

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