選挙運動費用収支報告書の写しを入手する目的で板橋区選管に対して情報公開請求したところ、寄附者の氏名・住所(2週間後に開示)、出納責任者の印影(10か月後に開示)など多数か所を非開示にしたことの違法性を問う国賠訴訟で、東京地裁(村田一広裁判長)は9月14日、個人名などを非公開にした板橋区選管職員の行為が「職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなくされた」誤ったものだとして、国家賠償請求法上違法であるとする判決を言い渡した。
その上で、金銭で賠償するほどの損害は認められないとして、原告の請求は棄却した。
また、出納責任者の印影については、犯罪誘発のおそれがあるとして非開示にしたことについて、公選法の規定で閲覧可能なことなどを理由に、「おそれ」は漠然としたものにすぎず、条例の非開示理由にあたらないと判断した。ただし、瑕疵(判断ミス)はあるものの、国賠法上違法とまでは言えないとした。
実質的な勝訴判決といってもよい。恣意的な非開示処分に一定の歯止めになることに期待したい。
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■判決文 東京地裁・ 令和3年(ヮ)26199号 国家賠償請求事件(国賠法上の違法を述べた箇所は13頁付近)