准教授の研究不正に揺れる岩手大学の内規に重大な不備があることがわかった。不備が発覚したのは、研究倫理違反の疑いがあった場合の調査の実施とその結果の公表方法などについて定めた「特定不正行為に関する告発等への対応について定める細則」だ。
細則の20条1項は、特定不正行為(研究不正のなかで悪質なもの。捏造・改ざん・盗用)と認定した場合は速やかに公表するよう規定。2項で、特定不正行為との認定がない場合は原則として公表しないが、調査内容が漏洩している場合や故意でない誤りがあった場合は公表すると定めている。
そして3項で、1、2項に基づく公表を行う際の公表内容を次のように定めている。
「第1項及び第2項に規定する調査結果の内容(項目等)は別に定める。」
「別に定める」とあるのだから、当然、どこかに規定されているものと思い、大学に問い合わせた。驚くべき回答があった。
「20条3項の公表内容を規定したものはありません」
「別に定め」なければならないのに、その作業を怠っていることを認めた。
今後改善するのか、注視したい。