杉並前区長が関与した「ゴルフ汚職」問題をめぐる住民訴訟の訴状が送達されていない問題で、未送達の理由が印紙代不足にあったことが関係者の証言で判明した。また、こんご不足分を追完して訴訟を続ける意思は希薄であり、取り下げを検討していることもわかった。
住民訴訟の一審提起の手数料は、13000円(訴額算定不能=160万円)が一般的だが、東京地裁は訴訟物の数を細かく計上する独自の計算方法をとっている。訴訟関係者によれば、今回の訴訟提起後、書記官を通じて「訴訟物は2件」だとの指摘があったという。そうすると160万円×2=320万円となり、印紙代は21000円だ。8000円の追完を求められたとみられる。しかし追完(必要な費用を後日納付すること)をせずに放置してきた模様だ。そのまま時間がすぎれば口頭弁論を経ずに却下となる。
たかだか8000円の印紙代を払わなかったところをみると、提訴当初から本気で訴訟を行う意思がなかった可能性が高い。
6月10日の提訴当時、原告団(三浦佑哉代理人)は記者会見をして訴訟の意義を説明、訴訟費用のカンパを広く呼びかけた経緯がある。「当初から訴訟を進める意思がなかったのではないか」などの批判や説明を求める声が上がるのは必至だ。