
杉並区長選を187票の僅差で制した岸本聡子氏が、11日、就任した。田中良前区長時代にはなかった新しい取り組みがさっそく実践された。まず自転車通勤だ。雨の日は電車で通勤するという。そして、記者会見のあり方である。従来、区長のお気に入りの記者だけで記者会見(「記者懇談会」と表現していた)をする悪習があったが、新区長体制であらためられた。この日5階で行われた区長記者会見は、フリーや雑誌記者などに広く開かれた形で行われた。
筆者はこの記者会見に出席し、情報公開や公文書管理のあり方について見解をただした。
(下記動画の22分20秒ごろから)
――前区長時代は、「区長予定表」を随時廃棄文書に指定して毎日廃棄するということがあった。情報公開請求の対象文書になったものを大量に廃棄するという問題もあった。公文書管理、情報公開のあり方についての考えを聞かせてほしい。
岸本 選挙戦で対話の区政というのを訴えてきた。みなが情報をもっていないと議論すらできない。情報公開は進めれば進めるほどすべての人利益がある。先進自治体の例に学びながら杉並の情報公開インフラをつくりたい。公文書管理については、1日で破棄ということがなされていると学びました。きちんと保持すべきだ。破棄する理由がない。公文書管理条例がいつできるのかわかりませんが、公文書はきちんと管理するのが行政の基本的な姿勢だ。行政は絶対にまちがいをおこさないと思いません。まちがったときにきちんと立ち戻れる、そして情報公開請求があったときにきちんと公開されるという大原則をもちたい。(趣旨)
区長予定表の毎日廃棄を食い止めるため、区民有志で「毎日情報公開請求」するという取り組みを続けてきたが、ようやくその必要がなくなりそうである。小さいが大きな一歩である。
腐敗防止についても尋ねた。この質問に対する回答については追って報告する。