安倍晋三前首相が奈良市内で選挙応援演説中に射殺された事件が大きく報じられている。許されざる凶悪犯罪であることはいうまでもないが、報じられている内容をながめていていくつか腑に落ちない点がある。覚書として記しておきたい。
なにより疑問に感じるのは、いかにして致命傷を負ったかという点である。救急搬送先の病院の記者会見によれば、傷の状況は次のとおり。
1 銃創は前頸部(喉のあたり)やや右よりに2か所(5センチ幅)。小さい。射出口とみられる傷が左肩(首)付近に1か所。
2 傷は心臓に達しており、動脈や心室の壁を損傷
3 鎖骨に傷はなかった
4 体内から銃弾は見つかっていない。
5 開胸して止血と大量の輸血(100単位以上)を行なったが出血が多く蘇生できなかった。
事件の発生状況をとらえた映像をみると、安倍氏は高さ60−70センチの演台の上で演説中、まず背後から銃撃を受けている。このときは被弾した様子はなく、物音に驚いて後ろを振り向く(左側に)仕草をする。そして約3秒後に2発目の銃撃を受ける。銃声のわずか前に右襟付近が風を受けたように揺れるのがわかる。そしてうずくまるようにして倒れる。
1発目の銃弾がはずれ、2発目に被弾したようにみえる。では、首元の銃創が2か所というのはどう説明すればいいのだろうか。散弾銃であれば2か所の傷ではすまないだろう。
さらに、左後ろを振りかえった安倍氏の右首付近に後方からの弾丸が命中したとして、心臓の心室の壁をなぜ破損したのか。よくわからない。
こうした疑問は司法解剖をすればかなりわかるはずだ。結果報告を待ちたい。