神奈川県警の天下りリスト(企業などの法人が県に提出したもの)の法人名開示を求める訴訟が横浜地裁で続いているが、あきれた事実が明らかになった。神奈川県情報公開条例にもとづいて県警が筆者に送った一部開示決定通知の内容に大量の誤りが見つかったのだ。この開示決定通知の日付は昨年4月、筆者が「誤りがあるのではないか」と指摘したのが今年4月。そこからさらに3か月がすぎた7月になってようやく訂正を知らせてきた。当初の決定から1年3か月もの時間が経過している。
これは、単に情報公開事務の現場が多忙だったからなどということでは説明がつかない。昨年10月に筆者は県を相手どり、法人名を非開示にした処分の取り消しを求める行政訴訟を起こした。県の指定代理人多数が訴訟対応にかかわり、非開示処分は適法である旨の反論をしている。こうした訴訟事務を行うなかで、ふつうならミスに気づきそうなものだ。
驚いたことには、今回訂正をしてきた内容のなかには、従来非開示にしながら決定通知に理由の記載がなかった文書について、本来開示すべきであったとして黒塗りをはずしてきた例がある。非開示処分は適法だと裁判で主張しながら、いまごろになって「あれは非開示処分ではなかった」というわけだ。自分たちが下した行政処分について、まじめにその内容を理解し、訴訟対応をしているのか、首をかしげざるを得ない。


