子どもを守らなければならない立場の教諭が、子ども間のいじめを黙認するばかりか、自ら児童虐待の加害者になる。そんなおぞましい事件が横浜市の市立小学校で相次いで発覚している。
ジャーナリスト寺澤有氏が今日(22日)報じた記事によれば、市教委は昨年秋ごろ、男性の小学校教諭J氏を「児童生徒性暴力」を理由に懲戒免職にしながら公表していなかった。官報の情報や児童保護者への取材で確認された。
2021年12月21日の官報には、たしかに神奈川県教委が出した教育職員免許状失効公告として、横浜市立小学校教諭J氏の教員免許(幼稚園教諭1種、小学校教諭1種、東京都教育委員会)を失効した旨の記事が掲載されている。失効理由は、教育職員免許法10条1項2号(同施行規則74条の2第8号イ)とある。つまり「児童生徒性暴力」である。
施行規則74条の2第8号イは、児童生徒への強制性交などの重大犯罪に適用される失効理由なのだ。
子どもの安全にかかわる大事件だが、市教委はこの処分についてこれまで公表していこなかった。それだけでなく、官報の公開情報をつきつけてもなお最低限の事実すら認めようとしない様子がうかがえる。
以下は22日の市長記者会見で寺澤氏が市教委事務局をただしたさいのやりとりである。
(寺澤氏)ーー 男性教諭は懲戒免職になっているんですよね、昨年10月28日に。
(東部学校事務所総務課長•奥江氏) その件につきまして、そういったこともふくめてお答えを差し控えさせていただきます。
ーー12月21日付官報に掲載されてますよね。
奥江 官報に掲載されているうんぬんも含めてお答えを差し控えさせていただきます。
なぜそこまで徹底して口をつぐむのか。不自然というほかないが、寺澤氏の記事によれば、じつは懲戒免職になった元教諭と横浜市教委の間に、市教委の仕事をしているある弁護士の存在が浮かんできたという。
(つづく)