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キシャクラブ(記者クラブ) 横浜市 行政腐敗

「記者クラブ企業は利害関係者ではない。調査も不要」
 契約実態を突きつけても公然とウソをつく横浜市長の資質を問う

 山中竹春横浜市長の記者会見が10日午後、横浜市本庁舎9階であり、筆者はいくつか質問を行った。そのひとつは市が定めるコンプライアンス遵守制度に関するものだ。なぜこの質問をしたのか。会見内容を紹介する前に経緯を説明しておきたい。

 同市はコンプライアンス指針を設けており、職員が利害関係者と飲食することを原則禁止している。その上で一定の事情(費用が妥当な額、職員側が負担する、会食の目的が職務に関連がある)があれば、コンプライアンス委員が許可する。そういう仕組みである。

 この制度を筆者が知ったきっかけは記者クラブ(横浜市政記者会)問題である。市長記者会見に出席するには、横浜市と並んで、排他的な一部業者の任意団体にすぎない記者クラブの「許可」を得なければならない。不愉快なしきたりである。地方公共団体である横浜市がなぜ特定の報道業者に「記者」の選別をさせるのか。

 情報公開請求を使って調べると興味ぶかい事実が発覚した。記者会の記者と市職員が年数回程度中華料理店やイタリヤ料理店で会食をしていたことを裏付ける文書がみつかった。これが上に説明したコンプライアンス指針にもとづく手続き書類だった。記者クラブは利害関係者だから原則会食禁止だが、職務と関係する行為だとして例外的に認めた――そういう手順を踏んでいる。

「職務」の実態はしれたものである。要は頻繁に飲み食いをする馴れ合い関係にあったのだと筆者は理解した。

 市と記者の癒着は市民の利益損失に直結する。そこで、山中市長に会見でただしたところ、思わぬ「独自の見解」が飛び出した。山中竹春市長によれば、記者クラブはコンプライアンス指針の利害関係者ではないというのだ。利害関係者でなければコンプライアンス指針を適用する必要がなくなってしまう。筆者はとまどった。

 記者クラブ企業と市との間に契約や協定があるのではないか、利害関係者にあたるのではないか。――繰り返しただしたがお茶を濁された。

 やむなく情報公開制度をつかって契約や協定をすべて調査することにした。今年1月の開示請求に対して、半年近く過ぎた今月になってようやく文書の閲覧が可能となった。大量の契約関係書類が出てきた。いまのところ、ごく一部しかみることができていないが、案の定、広告や番組制作、イベントや啓発事業など続々と契約がみつかった。

 指針の利害関係者にあたらないという市長の説明はまちがいである。これらの契約書類を確認した筆者は確信した。なにが利害関係者にあたるのかという前提が変わればコンプライアンス制度が根底から崩れてしまう。市長の「利害関係者」発言は看過できない大きな問題だった。

 以上の経緯を踏まえて臨んだこの日の記者会見だった。以下はそのやりとりである。

  (2022年6月10日、横浜市本庁舎9階会見室)

(三宅)――コンプライアンスの関係、いわゆる記者会(横浜市政記者会)に所属しているみなさんと(職員が)会食をされたという経緯がありますが、市長は繰り返し「利害関係者にはあたらないんだ」、そうおっしゃった。コンプライアンス指針のね、記者会の方が。それはいまでもまちがいないですか。

山中竹春市長 コンプライアンス委員会のほうから以前説明があったとおりかと思います。

ーー市長ご自身も、利害関係者にあたらないと思うんだと、そういうご回答を3月8日の会見でも、私が確認したところおっしゃっているんですね。で、ちょっと調べさせていただきました。そうすると、結構いろいろ契約があるんですよね。

 たとえば、平成29年4月4日、横浜市と日経新聞との「環境未来横浜と普及啓発活動に関する協定分」500万円とかね。細かくみればもっとあると思うんですがね。もうひとつ、大きいのはですね、神奈川新聞、代表企業神奈川新聞と、平成31年4月から、令和2年4月、令和3年4月、それぞれ4500万円、6000万円、7600万円の契約がある。

 市全体でどのくらいの契約があるか、私もまだ把握できてませんけども、少なくとも利害関係者にあたるんじゃないかと。指針をみるとね。で、利害関係者とはなにかについてはかなり細かく定義していてですね、物品の(購入等の)契約その他・・・関係する人、事業者。その時点で契約の当事者でなくてもそこから3年間は利害関係者とみなすんだと。そういうかなり細かい正確な定義をしてるんですね。これをみると、やはり利害関係者にあたるんじゃないですかと私は思うんですが、この点確認をされるお考えは市長、ないですか?

山中市長 ありがとうございます。契約案件に関しては、ご疑問な点がありましたら個々に所管のところに確認していただければいいかと思います。

――質問に答えていただいてない。市長ご自身のご認識として、記者会所属の企業、報道関係企業は利害関係者にあたらないんだというご認識を繰り返しおっしゃっているんで。私の認識だと・・・じっさい契約があるし、結構おおきな金額のものがありますので、これはコンプライアンス指針に照らして利害関係者にあたると判断しなきゃいけないんじゃないかと私は思うんです。ですので、市長はこの点を確認をして、本当に「利害関係者でない」といういままでのご認識がただしいのかどうか確認をしてご説明をしていただけないでしょうか、そういう質問です。確認をされるご意思はないですか。

山中市長 利害の衝突があるかないかに関しては、各担当のほうでも何度も確認していると思うんですね。利害の衝突はないものと考えています。

――あのまじめに答えていただきたい。(中止を求める職員の声)あの確認だけいいですか。質問がかみあっていない。指針1に定めている利害関係者に記者クラブの関係企業があたるのかどうか、確認をするのかどうか、そこを明確に答えてください。

山中市長 なんどか答えていますが、契約案件に関しては複数ございますので、契約内容がことなります。ですので、個別案件に関して利害が衝突している可能性を懸念されているのであれば、個別の部署にご確認いただくのがいいのではないかと思います。

ーー市長自身は調べないということですか。

山中市長 いま答えたとおりです。

 まちがいは誰にでもある。まちがいに気づいた時点で修正すればよい。だが、山中市長はそれをしたくないらしい。開き直ってまちがいを正しいのだと強弁する。れっきとした契約相手の企業を、言を左右して「利害関係者ではない」とごまかしつづける。「ウソも100回言えば本当になる」というナチスドイツの言葉を彷彿とさせる。なぜそこまで「利害関係者」にこだわるのか。なにか事情があるのだろうか。奇妙である。

作成者: MIYAKE.K

みやけかつひさ ジャーナリスト・スギナミジャーナル主宰者

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