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いじめ 自衛隊

空自小松基地 幹部自衛官自死事件めぐる国賠訴訟続く

2021年3月6日 12:05 AM

 航空自衛隊小松基地の情報保全隊に所属する男性幹部自衛官Aさん(2尉)が自殺する事件が、2018年3月に起きた。Aさんが亡くなったのは上司のいじめが原因だとして遺族が国を訴えた国賠訴訟が、東京地裁で続いている。
 
 原告側の主張内容によれば、上司はAさんに対して、仕事ができないといった趣旨のことを、部下の前などで執拗かつ激しく言い、叱責し、精神疾患を発症させた。Aさんが医療機関を受診し、医師の判断で休職したところ、この上司は連日報告を求めた末に病院に同行した。結果、Aさんは医師に対して「治癒した」といわざるを得なくなり、病状が回復していないのに復職した。復職したAさんに対して上司の風あたりは強く、病状は悪化した。Aさんは人事権を持つ幹部に相談し、異動を求めたが要望は受け入れられず、職場環境は改善されなかった。
 
 2017年11月、上司は教育のために一時的に隊を離れた。別の隊員が上司となり、その間はAさんの精神的負荷は軽くなった。しかし、18年3月からふたたび以前の上司が戻ってくることになり、Aさんの精神状態は悪化した。そして、この上司の隊員が小松基地に戻った直後に自死をはかり、命を落とした。

 いじめを裏付ける証拠は多くないが、Aさんは亡くなる直前に多数の遺書を書いており、そこに上司のいじめが原因である旨の記述がある。

 一方の国側は、いじめはなかった、自死は借金が原因だったとみられるなどとして、全面的に争う姿勢をみせている。

 次回口頭弁論は5月14日14時から415法廷で開かれる予定。

作成者: MIYAKE.K

みやけかつひさ ジャーナリスト・スギナミジャーナル主宰者

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